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【事例】阪急交通社、オラクルテクノロジを活用して大規模基幹DBの短期アップグレードと分析処理性能の大幅向上を実現5000のSQLをわずか二人×1.5カ月で検証!(3/3 ページ)

阪急交通社は先ごろ、大規模基幹システムのインフラ更改を7カ月という短期間で完了させた。約5000のSQLを1.5カ月で全量検証、業務ダウンタイムを最短化したデータベース移行、データ分析処理性能の大幅向上を可能にしたのは、オラクルの最新データベーステクノロジであった。[パフォーマンス改善][高可用性/災害対策][Oracle Data Integration]

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Data Guard環境を活用してDBをスピードアップグレード。さらにActive Data Guardで更新系/参照系DBを分離/同期し、4時間のデータ抽出作業を3分に短縮

 一方、短期間でのシステム移行や性能改善で大きな役割を果たしたのは、Oracle Databaseのデータ保護/レプリケーションを実現するOracle Database Enterprise Editionの標準機能「Data Guard」だ。このテクノロジの利用を前提に、TISはまず「48時間以内のシステム移行」を実現するシナリオを次のように描き、遂行することにした。

(1)新データセンター内でデータ同期

 新データセンター(新インフラは、その耐震強度を高める目的から、新たなデータセンターに設置された)にOracle 9i Databaseを設置し、現行システムのOracle 9i Databaseとの間でData Guardによって常にデータを同期させる

(2)データ移行作業は数分以内、差分も最小に

 移行当日の差分同期は、新旧データセンター間のデータ移行を現行システム停止後の数分間で完了させる

(3)アップグレードとデータ転送

 新データセンターのOracle 9i Databaseを同11gへアップグレードし、本番環境に含まれる他のOracle Database 11gにData Pump経由でデータを転送する

 この一連の施策により、データ移行作業を約13時間で完了させ、システム全体の移行作業も約32時間で終えられたという。

Active Data Guardで更新DBと参照DBを分離、コールセンター業務を迅速に


TIS 産業事業本部 東日本産業事業部 ネットコミュニケーション第2部の椿原伸夫氏

 またTISは、「データベース基盤のレスポンス性能向上」という課題、つまり十分なデータ抽出/検索性能を得る目的から、Oracle Database Enterprise Editionのオプション機能である「Active Data Guard」を活用する。同社産業事業本部の椿原伸夫氏(東日本産業事業部 ネットコミュニケーション第2部)は次のように説明する。

 「新システムでは、更新系データベースとデータ抽出/検索に用いる参照系データベースを分け、両者の間をActive Data Guardで同期するという設計を行いました。これにより、コールセンター業務など他業務で利用するシステムに負荷をかけずに、鮮度の高いデータを使ってスピーディにマーケティング分析が行える仕組みを整えたのです」

 こうした仕組み作りとハードウェアの更改、さらにOracle Real Application Clustersを用いたクラスター構成の導入により、HBOSのレスポンス性能は大きく改善された。実際、データ抽出を専門に担当する阪急交通社の社員からは、「これまで一晩かかっていたデータ抽出処理を20分程度で終えられるようになった」「4時間かかっていたデータ抽出処理が3分で終わるようになった」といった声が寄せられているという。コールセンターのオペレーターが利用するシステムのレスポンスも大きく向上。システム上での予約登録処理の時間が、従来の20〜30秒/1件から5秒程度に短縮され、予約受付にかかる時間を全体で約30%短縮できたという。

 加えて、阪急交通社では、新データセンターとDRサイトの間もActive Data Guardで結び、両者のOracle Databaseを同期させている。従来のHBOSでは、本番環境とDRサイトのデータに1時間以上の同期タイムラグが生じていた。そのズレが、Active Data Guardの適用によって限りなく極小化できたというわけだ。

今後も続く成長と変化への対応に終わりなし

 こうしたTISの奮闘により、高いハードルが設定されたHBOSインフラの更改作業は無事に完了した。だがこれで、阪急交通社におけるシステム拡張/強化の取り組みが終わったわけではない。石塚氏によれば、HBOSが扱うデータ量は依然として予測を超えるペースで増え続けており、今後もインフラのさらなる増強の必要性を感じているという。

 また、旅行業界を取り巻く環境の変化は激しく、システムの開発/機能強化を継続的に、しかも「あらゆる計画を前倒しするペース」で進めない限り、市場のニーズに的確に応えていくのが難しくなっていると石塚氏は明かす。

 このような阪急交通社の課題に対応していくために、TISは今後もOracle Real Application Testingをシステム拡張/改修や新規開発の場面で効果的に活用していく構えだ。

 さらに、阪急交通社には、Webシステムの強化や、今回のHBOSインフラ更改で整備したデータウェアハウス環境をさらに拡張/発展させていく計画もあるという。こうした取り組みを前進させる中で、Active Data Guardの適用範囲がさまざまに広がる可能性もある。オラクルの先進データベーステクノロジとTISの高い技術力が、阪急交通社のさらなる成長/発展を支えていくのである。


提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年1月31日

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