日立金属が基幹データベースのプライベートクラウド基盤に課した妥協なき要件と、その選択:ビジネスのグローバル化を支える強固かつ柔軟なDBaaSの実現(2/3 ページ)
グローバル化推進に伴うIT提供スピードの向上、増大するデータ量への対応、高い性能/可用性/信頼性、そして容易な運用管理──日立金属は基幹データベース群のプライベートクラウド基盤の選定に当たり、これらの要件を適正なコストで満たすシステム基盤を子細に検討。選んだのはOracle Exadataであった。[プライベートクラウド/データベース統合][運用管理効率化][Engineered System][Oracle Enterprise Manager]
インフラ提供の迅速化、データ増大への対応、信頼性/運用管理性の向上──データベース基盤の課題解決に向けてOracle Exadataを検討
データベース環境の刷新に当たり、日立金属は、まず新データベース環境に対する要求をまとめる。それは次のようなものであった。
- 新規インフラを迅速かつ効率的に提供できる基盤の実現
- データ容量が増大し続ける情報系システムへの対応
- 信頼性および保守運用性の向上、性能管理の強化
これらの要件を満たすソリューションとして同社が目に止めたのがOracle Exadataだ。玉村氏は、「Oracle Exadataであれば、当社がデータベース環境に求める要件を全て満たし、これまで抱えていた課題を解決できるのはないかと考えて検討に着手しました」と振り返る。
Oracle Exadataを候補に据えると、玉村氏らは「移行」と「機能」、そして「運用」の大きく三つに課題を分類し、それぞれについて調査を進める。
まず「移行」については、2014年3月にプロジェクトを開始し、同年8月に新データベース環境の導入が完了していることを要件とした。9月末までに新システムを稼働する必要があり、また既存システムのWebアプリケーション部分のマイグレーション作業が発生することから、8月に導入が完了していなければスケジュールが間に合わないためだ。
「この要件については、ハードウェアとソフトウェアを事前に最適化した上で統合したEngineered SystemsであるOracle Exadataであれば、汎用サーバーの約3分の2に導入期間を短縮できることから、8月中の導入は十分に可能だという結論に達しました」(玉村氏)
「機能」に関して玉村氏がチェックしたのは、上図に示すように「新規インフラの提供は迅速/効率的に行えるか」「情報系システムも統合可能か」「信頼性は向上するか」という三つの課題である。果たして、Oracle Exadataはこれらの課題を解決できるのか。「新規インフラ提供」に関する検討結果について、玉村氏は次のように説明する。
「Oracle Exadataであれば、ストレージ管理の自動化機構『Oracle ASM(Automatic Storage Management)』を使うことが可能であり、それが大きな効果をもたらすと判断しました。従来は物理設計を行った後にデバイスをボリュームに割り当てるといったほそぼととした作業が必要でしたが、Oracle ASMはそれらの作業を自動的に行ってくれます。これにより、ディスクの新規割り当てや追加などで生じていた管理工数を大幅に削減できることが分かったのです」
統合DB基盤の管理性、運用保守の効率化、BCP対応──全ての課題に最適な解決策が用意されていた
データベース環境の刷新に伴って検討されていた情報系システムとのデータベース統合に対応できるかどうかも重要な検討ポイントであった。日立金属が特に憂慮したのは、増大し続けるデータ量への対応である。だが、Oracle Exadataには「Hybrid Columnar Compression」と呼ばれるデータベース専用の圧縮機能が備わっており、これを使うことで10の1程度にまでデータ量を圧縮することができる。この機能の存在を知ったことで、玉村氏は情報系システムの統合にもめどが立ちそうだとの感触を得たという。
グローバルで利用するデータベース環境となることから、信頼性も大きな関心事だった。これに関して玉村氏の目に止まったのは、Oracle Exadataに搭載される「Oracle RAC(Real Application Clusters)」だ。Oracle RACがあることから、「連続稼働するシステムには、Oracle Exadataは非常に適している」(玉村氏)と判断する。
「運用」の面で検討課題となったのは、次の3点である。
- サーバー統合の範囲を拡大しても管理が可能か
- 開発/保守運用の効率向上
- 事業継続計画(BCP)対策としてのデータ別置保管
調査の結果、これらについては「Automatic Workload Repository(AWR)」と「Oracle Enterprise Manager」、そして「Oracle Data Guard」のそれぞれが有効であることが分かった。
このうち、AWRはデータベースセグメントのアクセス情報や時間モデルの情報、負荷の高いSQLの情報、システムとセッションの統計などを一元的に把握することのできるツールであり、これによってOracle Exadata上に統合した複数のシステムを効率的に管理することが可能になる。
また、統合運用管理ツールであるOracle Enterprise Managerを使えば、リアルタイムSQL監視やリアルタイム性能分析などの機能により、開発や保守運用の効率を高められる。そして、BCP対応で必要となるデータの別置保管については、Oracle Data Guardを使うことによって低コストで実現できることが分かった。
関連記事
- DBaaSも見据えたOracle Exadataによるデータベース統合(1):心配は無用! バックアップ/リカバリ、パッチ管理、テストが今すぐ、ここまで楽になる
- DBaaSも見据えたOracle Exadataによるデータベース統合(2):もし56日かかったDB構築を3時間に短縮できたら? IT部門もユーザーもハッピーになるセルフサービス化
提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年2月25日
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.