日立金属が基幹データベースのプライベートクラウド基盤に課した妥協なき要件と、その選択:ビジネスのグローバル化を支える強固かつ柔軟なDBaaSの実現(1/3 ページ)
グローバル化推進に伴うIT提供スピードの向上、増大するデータ量への対応、高い性能/可用性/信頼性、そして容易な運用管理──日立金属は基幹データベース群のプライベートクラウド基盤の選定に当たり、これらの要件を適正なコストで満たすシステム基盤を子細に検討。選んだのはOracle Exadataであった。[プライベートクラウド/データベース統合][運用管理効率化][Engineered System][Oracle Enterprise Manager]
さらなる成長、グローバル化に対応すべく基幹データベース基盤の刷新を決断
自動車、産業インフラ、エレクトロニクスといった市場分野において、独自の材料/技術開発を強みに大きな存在感を示し続ける日立金属。2013年には日立電線と合併し、事業分野をさらに広げながら成長を続けている。2014年10月に都内で開催された「Oracle Days Tokyo 2014」では、その日立金属が取り組んだOracle Exadataによるプライベートクラウド基盤構築の全容が、同社情報システムセンター 主管部員の玉村孝雄氏による講演で明らかにされた。玉村氏の講演の内容を基に、その要旨を紹介する。
日立金属では、1996年にホストコンピューターのリプレースを見据えたIT戦略を立案。「変化に強い情報システム化」と「コスト適正化」、そして「人材、体制の最適化」を目標に、業務プロセスやシステム開発の標準化を推し進めてきた。この中で、ホストダウンサイジングの指針として事業系販売管理システムはスクラッチ開発、管理系システムはパッケージを適用して再構築する方針を定めた他、データベース環境のサービス化も図っている。具体的には、Oracle Databaseの利用基準として、サービスをユーザースキーマ単位とすること、DBA権限は付与しないことといった基準を定めたのだ。
これらの取り組みにより、2004年4月にはホストの撤去に至る。そして国内グループ会社へのシェアドサービスの展開、海外販社に対する販売管理システムのASPサービス提供など、連結会計や事業のグローバル化にも対応してきた。とはいえ、日立金属の海外展開は加速しており、顧客側のグローバル化や海外企業とのM&Aへの対応など、新たな要件が次々と生まれる。同社はこうした要件に既存のデータベース環境で対応していくのは難しいと判断し、その刷新に向けた取り組みを開始する。
実は、Oracle8i DatabaseとOracle9i Database R2で構成された日立金属のデータベース環境には、サーバーの老朽化問題やセキュリティ対策の強化、BCP(事業継続計画)への対応が求められていた。また、販売管理や販社向けシステムが新たに稼働することから、データベース環境のリソース増強と、販社向けシステムで利用するOracle Database 11gの導入も迫られていた。そこで、データベース環境を一新し、プライベートクラウド化によって上述したさまざまなビジネス要件に迅速に対応できるインフラを整備することを決めたのである。
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