.NET Frameworkの一部バージョンのサポート終了が差し迫る! その対策は?:Tech TIPS(1/2 ページ)
多数のバージョンが存在する.NET Framework。その一部がもうすぐサポート終了を迎える。どのバージョンに対して、いつ、どのような対策を施すべきなのか?
対象ソフトウエア:Windows Vista/Windows 7/Windows 8/Windows 8.1/Windows 10/Windows Server 2003/Windows Server 2008/Windows Server 2008 R2/Windows Server 2012/Windows Server 2012 R2、.NET Framework 2.0/.NET Framework 3.0/.NET Framework 3.5.x/.NET Framework 4/.NET Framework 4.5.x/.NET Framework 4.6.x
解説
読者諸氏が利用しているWindows PCには、ほぼ間違いなく、いずれかのバージョンの.NET Frameworkランタイムがインストールされている。
その一部のバージョンで2016年1月13日にサポートが終了し、セキュリティ更新プログラム(セキュリティパッチ)の無償提供が止まってしまうことをご存じだろうか?
本TIPSでは、どのバージョンの.NET Frameworkでサポートが終了してしまうのか、その対策として何をすればいいのか、解説する。
■記事内目次
- サポート終了が差し迫っているのは.NET Framework 4/4.5/4.5.1
- Service Packの古い.NET Framework 2.0/3.0/3.5もサポート終了
- サポート終了は実質的に寿命を意味する
- 対策は、サポート範囲内のバージョンへアップグレードすること
- .NET Frameworkのサポート終了時期の詳細(WindowsクライアントOS)
- .NET Frameworkのサポート終了時期の詳細(Windows Server)
●サポート終了が差し迫っているのは.NET Framework 4/4.5/4.5.1
.NET FrameworkにはVer.1.0からVer.4.6.1まで、多数のバージョンが存在する。
このうち、Ver.1.0/Ver.1.1はすでにサポートが終わっている。そして2016年1月13日には、.NET Framework 4/4.5/4.5.1のサポートも終わることが決まっている。いずれも全Windows OSに当てはまる共通事項だ。
.NET Frameworkの各バージョンのサポート終了時期(概要)
この図で2016年1月13日以降もサポートが続くバージョンについては、インストール先のWindows OSによってサポート終了時期が変わってくる。詳細は後で図示する。
*これまでの.NET Frameworkのサポートライフサイクルに当てはめると、Ver.4.6.1がリリースされた以上、Ver.4.6のサポート終了時期はもっと早まる可能性が否定できない。もしそうなった場合は、本TIPSを更新してお知らせする。もっとも、Windows Vista/Server 2008ではVer.4.6.1が利用できない以上、早くてもこれらのOSのサポートが終わる2017年4月12日まで、Ver.4.6のサポートは継続されるだろう。
●Service Packの古い.NET Framework 2.0/3.0/3.5もサポート終了
.NET Frameworkのサポート終了については、そのService Packレベルにも注意すべきである。
.NET Framework 1.0/1.1/2.0/3.0/3.5には、それぞれService Packが提供されている。そのいずれも、最新版Service Packが適用済みの場合のみサポートされる。つまり古いService Packレベルのままではセキュリティパッチが適用できない危険な状態なので、速やかに最新版Service Packを適用すべきだ。
一方、Ver.4以降の.NET FrameworkにはService Packはリリースされていないので、意識する必要はない。
各バージョンの最新のService Packレベルは、後述するWindows OSごとのサポート終了時期の図で、左端の各.NET Frameworkの見出しに付記している。また、各Service Packのレベルや適用方法などの詳細は、次の記事が参考になる。
以下では、最新版Service Packが適用済みという前提で説明する。
●サポート終了は実質的に寿命を意味する
さて、マイクロソフトによるサポート(正確には延長サポート)が終了すると、どのような影響があるのだろうか?
最も重要なのは、セキュリティパッチの無償提供が終わることだ。もし2016年1月13日以降に、サポートの終わった.NET Frameworkのバージョンに対して新たなセキュリティ上の脆弱(ぜいじゃく)性が発見されたとしても、それは修正されることなく放置される。たとえそれが、システムの乗っ取りや情報漏えいにつながる危険な脆弱(ぜいじゃく)性であっても、だ。
そんな危険な状態のソフトウエアを使い続けることができるだろうか? 特にビジネスの現場では許されないだろう。すなわち「(延長)サポートの終了日」=「寿命」ということだ。
●対策は、サポート範囲内のバージョンへアップグレードすること
では、2016年1月に迫る.NET Framework 4〜4.5.1のサポート終了について、どのように対策をすればよいのか?
まずは、管理下のWindows PCにこれらのバージョンの.NET Frameworkがインストールされているかどうか、確認する必要がある。
もしインストールされていたら、そのバージョンの.NET Frameworkを必要とするアプリケーションの開発元に、サポートの続くVer.4.5.2やVer.4.6.xで正しく動作するか確認する。Ver.4.x系列内では基本的に下位互換性が維持されているので、アップグレードしてもそのまま対象アプリケーションが正常に動作する可能性は高い(もちろん、アプリケーションの修正が必要になる可能性は否定できない)。
正しく動作するという確認が取れたら、Ver.4/4.5/4.5.1のランタイムをVer.4.5.2またはVer.4.6.xにアップグレードすることになる。それには、Windows Updateあるいは下記のインストーラーなどを利用して、単に新バージョンをインストールすればよい。Ver.4.x系列内では同一システムに複数のバージョンは並存せず、常に上書きのアップグレードとなるため、古いバージョンをアンインストールする必要はない。
インストーラー(オフライン) | 言語パック | |
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.NET Framework 4.5.2 | ダウンロードセンター→ | ダウンロードセンター→ |
.NET Framework 4.6 | ダウンロードセンター→ | ダウンロードセンター→ |
.NET Framework 4.6.1 | ダウンロードセンター→ | ダウンロードセンター→ |
.NET Framework 4.5.2/4.6/4.6.1のインストーラーのダウンロードページ リンク先はいずれもマイクロソフト ダウンロードセンターである。言語パックは、.NETのエラーメッセージを日本語で出力させるのに必要だ。 |
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