無料で入手できるドキュメント/電子書籍で勉強しよう:特集:フレッシュマン企画(1/2 ページ)
インターネット上で無料で公開されているドキュメントや電子書籍を使って、自分のスキルや知識を向上させよう!
細々と続けてきた2015年のフレッシュマン企画。最後となる本稿では、.NETプログラミングに関連するスキルを向上させたり、アプリ開発に関連する知識を広げたりするのに役立つドキュメントを紹介しよう。
紹介するドキュメントの種類
本稿では、無料でダウンロード可能なドキュメントや電子書籍を紹介する。兄弟サイトであるBuild Insiderの記事「無料でダウンロードできるIT技術系電子書籍(EPUB/PDF)一覧」では、市販されている書籍の中で電子書籍版が無料で入手できるものを紹介しているので、そちらも参考にしてほしい。
本稿では、市販書籍の電子書籍バージョンに限らず、同様なフォーマット(PDFなど)で配布されているものを取り上げていこう。紹介するのは、主に以下に示すものだ。
- IPAが提供するドキュメント
- マイクロソフトが提供するドキュメント
- その他
IPAが提供するドキュメント
IPA(Information-technology Promotion Agency:情報処理推進機構)は、今や日々の生活のインフラとなったともいえるIT技術をより信頼できるものとして、情報セキュリティやソフトウエアの信頼性を向上させるための施策、ソフトウエア開発支援、IT人材の育成などを行っている独立行政法人だ。未踏IT人材発掘・育成事業や情報処理技術者試験を実施しているところと聞けばピンとくる人もいるだろう。
IPAのソフトウェア高信頼化センター(Software Reliability Enhancement Center。略称はSEC)の「SEC BOOKS−書籍情報−」ページでは、同センターが取り組んでいた事業の成果をPDFファイルとして公開している。この中には市販の書籍もあるが、同ページからは無償でそれらを入手できる。
また、情報セキュリティの技術者・研究者向けページでは、安全なWebサイトを開発するための情報がPDFファイルとしても提供されている。
以下では、上記のページから入手可能な書籍/ドキュメントを紹介していこう。
ソフトウェア高信頼化センター(SEC)
「SEC BOOKS−書籍情報−」ページからは以下の分野に関するIPAの事業成果を約50冊の電子書籍として入手できる(多くは各社より市販書籍としても出版されている)。
- 組み込み系
- エンタープライズ系
- 小冊子/パンフレット
本サイトをご覧の皆さんが特に興味を持たれると思うのは、エンタープライズ系ソフトウエア開発に関連する各種の書籍だろう。
特に以下のシリーズからは、エンタープライズ開発を行っていく上で知っていると有用な知識が得られるはずだ。
- 『ITプロジェクトの「見える化」』
- 『ソフトウェア開発見積もりガイドブック』
- 『プロセス改善ナビゲーションガイド』
『ITプロジェクトの「見える化」』シリーズ(全4冊)は、システム開発の工程を上流/中流/下流に分類し、それぞれの工程において、プロジェクトで発生した事象/発生しつつある事象を「見える化」し、問題を認識/解決する方策(あるいは、問題を次の工程に積み残さないようにするための方策)を導き出し、プロジェクトを成功させるにはどうマネジメントをしていけばよいかを示すものだ。概要をつかみたい方は「総集編」に目を通してから、各工程の話に進んでもよいだろう。
『ソフトウェア開発見積もりガイドブック』シリーズ(全4冊)は、システム開発における規模/工数/後期/コストを精度よく見積もるためにはどうすればよいかを解説するものだ。また、ユーザー企業とベンダーの両者が納得できるような見積もりとするためにはどうすればよいかなどについても触れられている。「ITユーザとベンダのための定量的見積りの勧め」では精度の高い見積もりがなぜ重要なのか、精度を向上させるにはどうすればよいかの概要が示され、「ソフトウェア開発見積りガイドブック」「ソフトウェアテスト見積りガイドブック」「ソフトウェア改良開発見積りガイドブック」でその具体的な話が展開される。後者の3冊は概論と事例で構成されているので、読み通せば、より深い理解が得られることだろう。
『プロセス改善ナビゲーションガイド』シリーズ(全5冊)では、ソフトウエア開発におけるプロセス改善とは何か、プロセス改善を進めていくにはどうすればよいかが語られている。まずは「プロセス改善ナビゲーションガイド 〜なぜなに編〜」で概要を把握した後に、「プロセス改善ナビゲーションガイド 〜プロセス診断活用編〜」でプロセスを診断(アセスメント)するために必要な事項について見ていくとよい。「プロセス改善ナビゲーションガイド 〜虎の巻編〜」ではプロセス改善を行う上での重要なポイントが、「プロセス改善ナビゲーションガイド 〜ベストプラクティス編〜」ではそのベストプラクティスが取り上げられている。最後の「プロセス改善ナビゲーションガイド 〜自律改善編〜」では、ソフトウエア開発における「人」という部分に注目して、開発者による自律的な改善をどう進めればよいかを解説している。
この他にも、組み込み系ソフトウエア開発をテーマに多くの書籍が提供されているので、興味のある方はぜひ上記ページからダウンロードして目を通してみよう。
セキュリティ
IPAの「情報セキュリティ」ページからは、情報セキュリティに関連する各種のドキュメントを入手できる。
主なものとその内容を以下に一覧しておこう。
- SSL/TLS暗号設定ガイドライン: SSL/TLSに関する基礎知識とSSL/TLSサーバーの設定方法について
- 情報セキュリティ10大脅威 2015: 情報セキュリティ対策の基本/2014年に社会的影響が大きかった10個の脅威/課題と懸念について
- 安全なウェブサイトの作り方: 脆弱性の種類と解決策/Webサイトの安全性向上策/失敗例をまとめている
- 別冊:「安全なSQLの呼び出し方」/「ウェブ健康診断仕様」: SQLインジェクションが発生する原因とその対策について/危険度の高い脆弱性をWebサイトが持っていないかを診断するための手法を紹介
- DNSキャッシュポイズニング対策: DNSの原理/DNSキャッシュポイズニングの原理とその対策について
- Web Application Firewall 読本: WAFの概要とその導入に当たっての考慮点など
安全なWebサイト/Webアプリの構築に当たっては知っておくべき情報が提供されているので、ぜひともこれらのドキュメントにも目を通しておきたい。また、同サイトでは脆弱性対策情報やインターネットセキュリティに関連するRFCなども提供されているので、できれば定期的に参照しておいた方がよいだろう。
次ページでは、マイクロソフトが提供する開発者向け/ITプロ向けのドキュメントを紹介する。
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