マネジャーは教師でもあり生徒でもある:Go AbekawaのGo Global!〜TechTarget編(前)(2/2 ページ)
注目のグローバルIT企業トップに話を伺うインタビューシリーズ。第2回は、IT製品/サービス情報メディア「TechTarget」APAC(アジア太平洋地域)統括ヴァイスプレジデントのJon Panker氏にお話を伺った。
大切なのは、目的を理解し、考え、実行すること
阿部川 読者代表として質問させてください。TechTargetの話は理想的ですが、多くの企業が同じとは限りません。スキルのあるエンジニアが社内でチャンスをつかむには、どのようにすればよいのでしょうか?
パンカー氏 業種を問わず言えることは「現在のビジネスにどれだけ付加価値を提供できるかを意識すること」だと思います。私もそうしてきました。
タスクを遂行しなければならないとき、具体的な結果を出さなければならないとき、「その成果が、その後の仕事やプロジェクトにどのように関わり、発展していくか。それをしっかり認識して仕事をすること」が大切です。
仕事の生産性や効率性を上げる、利益を上げる、製品の市場導入の期間を早める、など、IT技術は企業の要望を可能にするために存在しています。エンジニアであれ、デベロッパーであれ、マネジメントであれ、どうテクノロジを活用すれば、自分の仕事が企業に価値を提供できるかを常に考える。それができれば、必ず心ある人があなたの仕事を注視するようになるでしょうし、キャリアもおのずと高まります。企業へのさらなる貢献も可能になるでしょう。
阿部川 「ビジネスバリューを自分の力で定義する」とも言い換えられますね。
パンカー氏 どのようなビジネスもその核となる目的があると思います。エンジニアの役割は、その目的を理解し、目的を達するためにどのような役割を担えるかを考え、実行することだと思います。
マネジャーは教師であり、生徒でもある
阿部川 現在6人の若いスタッフとシンガポールで仕事をしていらっしゃいますが、彼らと接するときに気を付けていることはありますか?
パンカー氏 これまで私のキャリアの中で培った知恵や知識は、極力シェアするように心掛けています。でも実のところは、私がむしろ彼らから学んでいるのです。
彼らは私より20〜30年も若く、生まれたときからインターネットが存在し、ソーシャルメディアで普通にやりとりをする世代です。私が経験したことのない環境でずっと育ってきた彼らが、現在の市場を作っているわけです。
私たちシニアは教えるだけではなく、彼らから学ぶべきことがたくさんあります。会社では毎日、彼ら新しいジェネレーションの連中がどんな会話をして、どんなものに興味を示すのか、どうやってコミュニケーションをとっているのかなどに注意を払っています。恐らくそれが私の毎日の仕事にも影響を与えていると思います。マネジャーはすべからく、教師でもあり、生徒でもあるのですから。
阿部川 人生は終わりのない学びの場ですから、若い世代から多くを学ぶことは、ビジネスでも重要なわけですね。
パンカー氏 そうです。われわれはチャレンジし続けるべきだし、学び続けるべきです。毎日毎日、新しいテクノロジプラットフォームは市場に登場していますし、情報を手に入れ、提供する方法も毎日のように進化しています。メディアに関わる者は、常にそれと歩調を合わせる必要があります。顧客の要望を確実にフォローする必要もあります。また、どうすれば顧客が一番満足を得られるのかをしっかり調査する必要もあります。
テクノロジは日々進化し続けています。ですから学び続けなければなりませんし、革新的であり続けなければなりません。
テレビリポーターからWebメディアの編集者へとキャリアチェンジしたご自身の経歴を踏まえて、パンカー氏が考えるキャリアの築き方とは。そして、人は何歳までチャレンジできるのか。インタビュー後編は明日(7月3日)に掲載します。お楽しみに。
- 9時から17時までなんて日本人は働き過ぎ
- IoTならエジプトの諸問題を解決できる、そして学ぶなら日本がいい
- 日本で仕事すると、打ち合わせばかりしている気がする
- 私は「ナマケモノ」 レイジーになりたいので一生懸命勉強した
- ずっとプログラマーになりたかった
- 前例のないアジャイル事例を達成したらCOBOLプロジェクトを任された
- 人生は勉強だから、いろいろなことを学ばないと
- 父を思い医者を目指し、好きを求め車業界へ しかし国の経済発展を願いIT業界に飛び込んだ
- マネジメントも大切だけど、プログラミングを完全に手放すことはきっとない
- 学校帰りは「PCバンでオンラインゲーム」が、韓国の子どもの日常
- 分からない分、何でもできる。新しく勉強し始める時が一番自由だ
- 校長先生に「マジで行ってほしい」って言われて日本に留学した
- 若者が今、経験していることは私たちが経験したものとは違っている
- 「Apple II」に「Lisa」、そして「Macintosh」 私の青春はAppleとともにあった
- 「床で寝る」って日本の人に言ったら、びっくりされた
- 5歳くらいのとき、父と「これは何?」「CPUだよ」と遊んでいた
- 私には「日本の文化」がインストールされている
- 私はまだ18歳で、それまでの人生の全てはミャンマーに置いてきた
- 「ハードに」ではなく「スマートに」仕事をしていきたい
- 父のようなエンジニアなりたい そして少女は海を渡った
- エンジニアはきっと、皆、同じ夢を見ている
- 「話題にし続けてください。それが世界を変える」 ウクライナのエンジニアは今も戦っている
- 入試の点数は今でも覚えている だって人生で一番大事なことでしょう?
- 日本の女性が「あたし」って言うの、かわいいですよね
- ネパールの最高学府卒エンジニアは、給料の半分以上をふるさとに送金している
- 日本語は「西野カナ」が教えてくれた
- 「ジェイ、どう?」 オフィスの視察かと思ったら面接だった
- 末は「神父」か「エアクラフトエンジニア」か
- 日本人は「なぜこのコードを書いているのか」をおろそかにしがち
- 「最悪のシナリオ」と「最高のシナリオ」に大きな違いがないならリスクがある方を選ぶ
- バグがあっても心配いらない、それは単なるコードです
- 次元削減、局所性鋭敏型ハッシュ――コンピュータサイエンスは美しい
- 七転び八起き エンジニアだから何度でも立ち上がれる
- ラッピングの切れ端から、サンタクロースの正体を知った
- 技術かマネジメントか どちらかではなくどちらも大切
- 兄が私を技術の世界に連れて行ってくれた
- 「左様でございます」 チャレンジだけが成長の種になる
- 「人を幸せにしたい」から、人事を目指し、エンジニアになった
- プロジェクトが終わり、システムが動いている。こんなにうれしいことはない
- 数学が苦手だった、だからITの道に進んだ
- 日本の社会保障は神
- 医者にもなれる成績だったけどプログラマーを目指した。それが海外に出る近道だったから
- 日本のエンジニアは信じられないくらい細部にこだわる だがそれがいい
- セキュリティスキルはポッドキャストで身に付けた
- 学び、感謝し、挑戦する リリィ・ティオングの世界
- 「PCの切り抜き帖」と「3つの願い」、私は13歳だった
- 英語が難しい? エンジニアはもっと難しい言語を知っているじゃないか
- ロックやパンクが好きな人は、強い言葉をよく使う?
- 時間を厳守すること、誠実であること、清潔に仕事をすること、高い品質を維持すること 私を魅了した日本の価値観
- 小学校からバイリンガル ヒンディー語とマラーティー語の
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