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Windowsフォーム開発者のためのWindows 10 UWPアプリ開発入門(前編)特集:UWPとは何か(4/6 ページ)

Windowsフォームアプリ開発と対比しながら、Windows 10時代の新たなプラットフォーム「UWP」を使用したアプリ開発の基礎を解説する。

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デバッグ実行してみる

 ここで一度動かしてみよう。

 動かす前に、メニューバーの下にあるツールバーを見てほしい(次の画像)。ビルドの対象となるCPUを[x86]とし、デバッグターゲットは[ローカル コンピューター]にしておく。

メニューバーの下にあるツールバー
メニューバーの下にあるツールバー
このツールバーが表示されていないときは、メニューバーの[ツール]−[カスタマイズ]で[カスタマイズ]ダイアログを出し、その[ツールバー]タブの中にある[標準]にチェックを入れる。
赤枠を付けた部分が、ビルドの対象となるCPUを選択するドロップダウンだ。Windowsフォームアプリとは異なり、UWPアプリは[Any CPU]ではビルドできない。デスクトップやWindows 10 Mobileエミュレーターでデバッグするときは[x86]でよい。ARM CPUを搭載した実機で動かすときには、ここを[ARM]にしてビルドしなければならない。
右側の緑色の三角マークの付いたドロップダウンは、デバッグターゲット(=デバッグ実行するデバイス)の選択である(上の画面は展開した状態になっている)。まずは[ローカル コンピューター]を選び、VS 2015が動いている環境のデスクトップでデバッグ実行してみよう。

 デバッグ実行の始め方は、Windowsフォームと同じである。メニューバーから実行するならば、[デバッグ]−[デバッグの開始]だ。ツールバーの緑色の三角マークをクリックしてもよい。ショートカットキーも用意されている(環境設定によって異なる)。

 次の画像のようなウィンドウが表示されたら、成功だ。

デスクトップでのデバッグ実行
デスクトップでのデバッグ実行
2カ所に数字の入った黒い帯が見える。デバッグ中のアプリのタイトルバーの下と、画面の右上隅である。これはフレームレートなどの表示だ(詳しくはMSDN「DebugSettings.EnableFrameRateCounter Property」の解説を参照)。これはリリースビルドでは表示されない。
VS 2015の右側にグラフが見えているが、これはVS 2015の新機能の一つ「診断ツール」だ。リアルタイムにメモリ使用量などを表示してくれる。

 デバッグ実行を終了するには、メニューバーの[デバッグ]−[デバッグの停止]や、ツールバーの赤色の四角マークなどを使う(デバッグ実行中のアプリの[X]ボタンでもよいが、止まるまでに時間がかかる)。

 次に、Windows 10 Mobileエミュレーターが使える環境ならば、デバッグターゲットを[Mobile Emulator 10.X.XXXXX.X WVGA 4inch 512MB](バージョン番号の「X.XXXXX.X」部分はWindows 10 SDKのバージョンによって異なる)などのWindows 10 Mobileエミュレーターに切り替えて、デバッグ実行してみよう(メモリがかなり必要である。4GBytesのPCでは苦しい)。次の画像のようにWindows 10 Mobileエミュレーターが立ち上がって、そこで実行される。

Windows 10 Mobileエミュレーターでのデバッグ実行
Windows 10 Mobileエミュレーターでのデバッグ実行
Windows 10 Mobileエミュレーターでは、画面の回転などさまざまな状況をエミュレートできる。エミュレーターの画面の右端には、デスクトップでのデバッグ実行と同様に、フレームレートなどの表示が出ている。

イベントハンドラーの実装

 [現在時刻]ボタンをタップ/クリックしたときのイベントハンドラーを実装して、アプリを完成させよう。

 これもWindowsフォームと同様に、プレビュー画面でコントロールをダブルクリックすればデフォルトのイベントハンドラーが生成されるし、それ以外のイベントハンドラーは次の画像のようにプロパティウィンドウを使って設定できる(プロパティウィンドウが表示されていないときは、上部のメニューバーで[表示]−[プロパティ ウィンドウ]を選択する)。

プロパティウィンドウでイベントハンドラーを設定する
プロパティウィンドウでイベントハンドラーを設定する
プロパティウィンドウで赤丸部分のボタンをクリックすると、イベントハンドラーの一覧に切り替わる。その左のボタンで、プロパティ一覧に戻る。ボタンの位置などは違うが、Windowsフォームでのプロパティウィンドウの操作と同様だ。
設定したいイベントの右の欄にイベントハンドラーの名前を入力して[Enter]キーを押せば、イベントハンドラーが生成される。

 しかし、イベントハンドラーもプロパティと同様で、慣れてくるとXAMLエディターで直接キー入力した方が早い。「定義をここに表示」機能([Alt]+[F12]キー)と併用すれば、流れるようにコードビハインドの記述まで行える(次の画像)。

XAMLエディターをクリックし、キー入力を始める。
「cl」まで入力した段階でTabキーを押す
XAMLエディターをクリックし、キー入力を始める。
「cl」まで入力した段階で[Tab]キーを押す
XAMLエディターをクリックし、キー入力を始める。
「cl」まで入力した段階でTabキーを押す
「Click=""」と補完され、ポップアップに「<新しいイベント ハンドラー>」と表示される(この場合、デフォルトのイベントハンドラー名は「button1_Click」となる)。
また[Tab]キーを押す
イベントハンドラーの名前「button1_Click」が補完された。このとき、&#xD;&#xA;キー入力カーソルは「button1_Click」の中にある。この状態でAlt+F12キーを押す
イベントハンドラーの名前「button1_Click」が補完された。このとき、
キー入力カーソルは「button1_Click」の中にある。
この状態で[Alt]+[F12]キーを押す
イベントハンドラーが生成され、そのコードビハインドが&#xD;&#xA;オーバーレイされたウィンドウに表示される(水色の部分)。そのままキー入力してメソッドを書いていく
イベントハンドラーが生成され、そのコードビハインドが
オーバーレイされたウィンドウに表示される(水色の部分)。
そのままキー入力してメソッドを書いていく
イベントハンドラーの完成。
イベントハンドラーの完成。
[Ctrl]+[S]キーを押してコードビハインドを保存し、
[Esc]キーを押してオーバーレイウィンドウを閉じ、
また[Ctrl]+[S]キーを押してXAMLコードを保存する

XAMLエディターでイベントハンドラーを実装する
XAMLコードにイベントハンドラーの名前を書いたら、[Alt]+[F12]キーでコードビハインドをオーバーレイ表示させ、メソッドの内容まで一気に書ける。
なお、[Alt]キーを押さずに[F12]キーだけを押せば、コードビハインドのC#エディターに切り替わる。


 イベントハンドラーに記述するコードは、現在時刻を「textBlock1」コントロールに表示するものだ(次のコード)。これの説明は不要だろう。

private void button1_Click(object sender, RoutedEventArgs e)
{
  textBlock1.Text = DateTimeOffset.Now.ToString("HH:mm:ss");
}

イベントハンドラーに記述するコード(コードビハインド、C#)
太字の部分を追加した。

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