キミは残念なクラリスになっていないか――エンジニアの「転職2.0」対応状況は?:また昭和な転職で失敗してるの? きのこる先生の「かろやかな転職」(4)(1/3 ページ)
プログラマーにしてWeb系企業の採用担当の「きのこる先生」が指南する、転職サービスに依存せずソーシャルなつながりなどを利用する「転職2.0」の活用法。今回は、エンジニアたちが転職2.0に対応しきれていない現状を、採用担当視点でビシビシと斬りまくる。
エンジニアを取り巻く転職事情はここ数年で、従来の転職サイトや転職エージェントを利用するスタイルから、オープンでソーシャルなスタイルへと大きく変化しました。エンジニアが納得のいくキャリアを自律的にドライブするには、転職をどのように考え、どのように取り組めばよいのか。元プログラマー、現Web系企業人事担当者の「きのこる先生」が「かろやかに」に指南します。
こんにちは。プログラマーにして採用担当の、きのこる先生です。一人称は「菌類」です。
秋は転職の季節です(涼しいから面接に行くのがラクなので)。キャリアプランを「転職」という手段で実現しようとしているエンジニアの皆さんを全力で応援する連載「かろやかな転職」の第4回へようこそ。
前回は「転職2.0現状確認会」と題して、転職サービスの新しいスタイルを紹介しました。企業のニーズを受けて、2.0対応を開始した転職サービスが出てきていること、ご存じでしたか?
今回は、転職しようとしているエンジニアの皆さんが「転職2.0」に対応しているかどうか、現状を確認していきましょう。
転職2.0に対応完了したエンジニアたち
冒頭で「秋は転職の季節」とお話ししました。「受託開発企業から自社サービス企業へ」「大手WebサービスからベンチャーのCTOへ」「ベンチャーのCTOからクラウドプラットフォーム社員へ」「フリーランスの立場で企業の技術顧問に就任」などなど、菌類の友人知人にも活発な動きがありました。
彼らに共通しているのは「転職エージェントを使っていない」ということ。企業からオファーを受けたり、行きたい企業の中の人に直接連絡したりと、普段の活動が発展して転職に至っているケースが多いのです。
「OSS活動」「ブログ執筆」「イベントやカンファレンスでの講演」「雑誌や書籍への執筆」など、実力と実績をはっきりアピールできていれば、「選考される」のではなく「対等に話をする」関係を企業と築けます。
どちらかが妥協や我慢をするのではなく、お互いが求めるものをきちんとマッチさせた上での転職であれば、企業もエンジニアも気持ちよく仕事に取り組めるはずです。
求人企業や転職エージェントの対応状況
求人企業や従来型の転職エージェントも、少しずつ転職2.0への対応が進んでいます。
企業がいわゆる「オウンドメディア」を開設したり、エンジニアにスポットを当てたイベントを開催したり、エンジニアコミュニティのカンファレンスやイベントをサポートしたり、といったことはその象徴的な例でしょう。「レジュメと求人のマッチング」という従来の枠を越えた採用の取り組みが見られるようになりました。
転職エージェントの意識も変わりつつあるようです。求人企業がエージェントから転職希望者の紹介を受けるとき、「エージェントによる推薦コメント」の中に「ブログやGitHubのURL」が書いてあるケースが、少しずつ増えてきました。
自己PRにも「業務外の取り組み事例」「気になっている技術」など、「コミュ力」「徹夜力」「サブリーダー経験」以外の記述が見られるようになりました。
おそらく「この企業は課外活動があるエンジニアの書類を通すようだ」と察したエージェントが、転職希望エンジニアとの面談でいろいろ質問したり、指導したりしているのでしょう。毎日応募書類を見る採用担当菌類としては、非常にありがたいことです。
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