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Oracle Database Cloud Serviceはどこまで「使える」か“ミッションクリティカルクラウド”は本当か?(2/4 ページ)

“ミッションクリティカルクラウド”を標ぼうする「Oracle Cloud Platform」。その実力を測るための検証作業に、ミッションクリティカルシステムの構築/運用で豊富な実績を誇るPSソリューションズが名乗りを上げた。同社が「Oracle Database Cloud Service」などについて実施した検証の内容と、その評価を紹介しよう。[パブリッククラウド][Oracle Cloud][Oracle Database 12c]

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性能はオンプレミスと遜色なし。ミッションクリティカルシステムへの適用も可能

 データベースの性能は、システム全体のパフォーマンスを大きく左右する重要な要素だ。パブリッククラウドで提供されるデータベースの性能がオンプレミスと比べて大きく劣るようであれば、いくらコストや調達スピードの面でクラウドが優れていたとしても、その用途は極めて限定的なものにとどまるだろう。

 そこで、PSソリューションズはOracle Database Cloud Serviceの処理性能とレスポンスタイムについて、オンプレミスのOracle Databaseとの比較検証を行った。この性能検証の狙いを、作業を担当したエンタープライズ事業推進部の杉山俊幸氏は次のように説明する。


PSソリューションズ エンタープライズ事業本部 エンタープライズ事業推進部の杉山俊幸氏

 「これまでオンプレミスでOracle Databaseを運用してきた企業がクラウドに対して感じる懸念点としては、可用性やセキュリティに加えて、オンプレミスと同等の性能が得られるかどうかということでしょう。これは当社においても同様であり、Oracle Database Cloud Serviceの処理性能やレスポンスタイムは特に気になるポイントです。そこで、実際にオンプレミスと遜色のない性能が得られるのかを検証したのです」(杉山氏)

 次に示すのは、オンプレミスのOracle DatabaseとOracle Database Cloud Service(図中ではDBCS)の比較検証に用いた環境の概略図だ。

 図にある通り、使用したOracle Databaseのバージョンはいずれも12.1.0.2、初期化パラメーターでCPU数とResource Managerを有効にすることでインスタンスケージングを行い、またメモリターゲットの値をそろえることで、基本的に同等のリソースを付与した。つまり、ほぼ同じ性能が出せる環境を整え、同規模のワークロードを処理する際の挙動を比較している。

 オンプレミスのOracle DatabaseとOracle Database Cloud Serviceの双方で同等のワークロード(OLTP系の処理)を30分間発生させ、それぞれの負荷量と処理時間の推移を示したものが次のグラフである。

 このグラフでは、主に負荷量の比較を目的に、データベースのCPU使用率と1秒間当たりのSQL実行回数の平均値を示している。ご覧の通り、CPU使用率とSQL実行回数のいずれにおいても、両環境の間に大きな違いは見られない。

 また、次のグラフはOracle DatabaseがCPUを使用している時間の割合を処理内容ごとに積み上げたものだ。

 一番下の赤い部分がデータベースセッションによるCPU使用時間、その上の4層の寒色部分がI/O関連の処理に費やされた時間である。見比べてみると、内訳に若干の違いはあるものの、全体の処理時間に大きな差のないことが分かる。

 「検証前は、オンプレミスとクラウドで、特にディスク性能の違いによるI/Oスループットや待機イベントの内容に差が出るのではないかと予想していましたが、実際には大きな違いは見られませんでした。Oracle Database Cloud Serviceでは、『どのような性能のディスクが幾つ使われているのか』といった部分がユーザー側からは見えないため、その点に不安を感じていたのですが、検証結果からは大きな違いや問題のないことが確認できました」(杉山氏)

 なお、Oracle Database Cloud Serviceの性能検証に際しては、PSソリューションズがオンプレミス向けに独自開発した運用管理用ツールをクラウド上で動作させ、各種の動作データを収集した。「Oracle Cloud Platformは、オンプレミスにおけるオラクル製品の運用で培ったノウハウや資産をそのまま流用できるという点でも、大きなメリットがあると感じました」と杉山氏は語る。

 また、迅速に導入でき、煩雑なセッティング作業なしで使えるクラウドならではの利点にも、あらためてアドバンテージを感じているようだ。

 「環境構築までの時間を大幅に短縮できることや、従量課金による導入コスト削減といったメリットに加えて、今回のOracle Database Cloud Serviceの検証では、オンプレミスと同様にサイジングさえしておけば、クラウドだからといって特別なことを行わなくてもオンプレミスと同じ性能が得られることが分かりました。今後は、可用性やセキュリティ面などのポイントにも注目しながら検証を進めていきたいと思います」(杉山氏)

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年1月2日

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