Oracle Database Cloud Serviceはどこまで「使える」か:“ミッションクリティカルクラウド”は本当か?(1/4 ページ)
“ミッションクリティカルクラウド”を標ぼうする「Oracle Cloud Platform」。その実力を測るための検証作業に、ミッションクリティカルシステムの構築/運用で豊富な実績を誇るPSソリューションズが名乗りを上げた。同社が「Oracle Database Cloud Service」などについて実施した検証の内容と、その評価を紹介しよう。[パブリッククラウド][Oracle Cloud][Oracle Database 12c]
ソフトバンクグループの中核SIerがOracle Cloud Platformを検証
オラクルが2015年4月より国内でも提供を開始したパブリッククラウドサービス「Oracle Cloud Platform」は、「ミッションクリティカル用途にも耐えるPaaS(Platform as a Service)」を標ぼうし、リリース以来、サービスの機能の拡充が続けられている。
オンプレミスの領域において、Oracle DatabaseはOracle WebLogic Serverなどとともに、ミッションクリティカルな企業システムを支える主要なミドルウエアとして広く利用されている。オラクルはOracle Cloud Platform上でも同等の環境を提供することを目指しており、その実現に必要な機能の実装を急ぐととともに、ミッションクリティカルシステムの構築/運用実績が豊富なパートナー企業による検証作業を支援している。
その1社として取り組みを進めているのが、ソフトバンクグループでITソリューションを手掛けるPSソリューションズだ。2010年9月に設立された同社は、「情報革命で人々を幸せに」というソフトバンクグループの理念に基づき、ITソリューション事業、ITアウトソーシング事業、海外マーケティング事業など幅広く事業を手掛ける。このうちITソリューション分野では、ソフトバンクグループ各社が利用するミッションクリティカルシステムの構築/運用に数多く関わっている。オラクルの認定技術者制度である「ORACLE MASTER Platinum」の取得者も10人を抱え、「Oracle Exadata」や「Oracle Database Appliance」をはじめとするオラクル製品/技術の活用実績も豊富だ。
PSソリューションズ エンタープライズ事業本部 エンタープライズ事業推進部 部長の飯泉卓也氏は、Oracle Cloud Platformの検証に取り組んだ背景と検証のポイントを次のように話す。
「当社は、オラクル製品を用いたソリューションビジネス、とりわけミッションクリティカル分野に大きな強みを持ちます。Oracle Cloud Platformは、オラクルが自ら提供するPaaSであることから、ミッションクリティカル分野で求められる性能や可用性、セキュリティ、運用管理性の面で大きく期待できると考え、検証の実施を決めました。
これまでオンプレミスのソリューションを手掛ける中で感じていた課題の1つは、サーバー環境の構築やソフトウエアのセットアップといった作業に手間と時間がかかり、利用開始までに長い期間がかかることでした。その期間を大幅に短縮できることがクラウドの利点であり、今回はそうした点も十分に検証したいと考えました」(飯泉氏)
PSソリューションズが検証を実施したのは、オンプレミスで利用実績のあるOracle DatabaseのPaaSである「Oracle Database Cloud Service」と、Oracle WebLogic ServerのPaaSである「Oracle Java Cloud Service」である。これらのサービスについて、導入スピードも含めた使い勝手と、オンプレミスと比較した性能やスケーラビリティを確認しようというわけだ。今回、同社が検証に用いたシステム構成は次のようになる。
図にある通り、Oracle Database Cloud Serviceについては主にオンプレミスのOracle Databaseとの性能を比較し、Oracle Java Cloud Serviceについてはスケーラビリティを検証した。以下、それぞれの検証内容を見ていこう。
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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年1月2日