富士通がディープラーニングを活用したサービスを発表:分析技術の提供と、顔認識サービスの共同開発を展開
富士通が、深層学習(ディープラーニング)技術を活用したサービス提供や、企業と共同でサービス開発を行うと発表した。
富士通は2016年2月4日、深層学習(ディープラーニング)技術を活用したサービス提供や、企業と共同でのサービス開発の実施を発表した。
1つは、現在提供しているビッグデータ分析サービス「FUJITSU Intelligent Data Service データキュレーションサービス」に、新たにディープラーニングを使った分析メニューを盛り込むというもの。もう1つは、コスメ・美容情報を扱うサイト「Hapicana(ハピカナ)」で、顔画像データにディープラーニングを適用、新たなレコメンドサービスを、運営元であるクーシーと共同で開発するもの。
データキュレーションサービスのメニューにディープラーニングを盛り込む
メニューにディープラーニングを盛り込むFUJITSU Intelligent Data Service データキュレーションサービスは、富士通が顧客の画像や音声データを預ってデータ分析モデルを作成、評価するサービス。
モデル作成と評価には約2カ月の期間が必要だが、顧客は結果レポートを基に新たなビジネスモデル創出や業務改革の検討に利用できるという。富士通では、作成したデータ分析モデルの提供や、活用のためのコンサルティング、システム構築なども行っている。
美容系Webサイトと共同でレコメンドサービスを開発
Hapicanaとのレコメンドサービスの共同開発では、5万点の顔画像データに対してディープラーニングを用いた学習(約80万回)を実施したという。顔の輪郭や目、鼻、唇といった特徴を基に8種類の顔型を作成。今後、さらに検証・評価を踏まえた上で、同サイトを訪れたユーザーの顔の特徴に合わせて化粧方法のアドバイスを行ったり、商品のレコメンドを行ったりしていくという。
今後、富士通では、ディープラーニング技術の適用範囲を以下のような分野にも広げる計画だという。
- 製造業:工場などで製品の画像を用いて品質を検査し、完成品の精度を高める
- 医療:X線画像などの臨床検査データから目視では難しい病巣を認識し、早期発見につなげる
- 広告分野:電車内の乗客の人数や顔の向きを認識し、車内の広告を変化させる
- スポーツ分野:映像から一流選手に共通する特徴を見つけ出し、体の動かし方を指導する
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