米AlpacaDBがDeep-Learningを使った金融プラットフォームを開発へ:Deep-Learningによる自動取引アルゴリズム生成
Deep-Learning技術による画像認識プラットフォームを展開してきたAlpacaDBが、資金調達に成功し、金融系の事業領域に本格進出する。
Deep-Learning技術の研究開発および、同技術を応用したWeb上の画像認識プラットフォームを提供している米AlpacaDBは、総額100万米ドルの資金を調達し、同技術を用いた世界初のトレーディング・プラットフォームである「Capitalico(キャピタリコ)」を開発することを明らかにした。
Deep-Learningは、人工知能技術の1種で、多層構造のニューラルネットワークによって機械学習するアルゴリズム。AlpacaDBは、これまで同技術を画像認識に応用したWebプラットフォーム「Labellio(ラベリオ)」を提供していた。同社は今回の資金調達によって事業領域をFinTech(金融分野に向けてIT技術を応用すること)分野に絞り、Deep-Learningを金融市場関連の時系列解析などに応用した、独自技術の開発をさらに進める。
同技術については、2015年9月18日に開催された米NVIDIAの技術カンフェレンス「GTC Japan 2015」で発表した。さらに同年10月には、少数の限定ユーザーに対してCapitalicoのβ版を公開している。同プラットフォームは、Web上でユーザーがプログラミングを一切必要とせずに自動取引アルゴリズムを生成できる。一般には、2016年1月に公開予定。
今回の出資者は、イノベーティブ・ベンチャー投資事業有限責任組合(共同無限責任組合員はNECキャピタルソリューションとSMBCベンチャーキャピタル)、アーキタイプベンチャーズ、木村新司氏、ビップシステムズである。
AlpacaDBは、2013年2月にIkkyoTechnologyとして事業を開始。現在は米国に拠点を置いている。同社メンバーにはノキア、任天堂、マイクロソフト、EMCやPivotal、リーマン・ブラザーズなどの出身者が名を連ねている。
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