JVMとAndroid用のオープンソースプログラミング言語「Kotlin 1.0」がリリース:運用性を重視した「実用的な言語」
JetBrainsが主導して開発を進めるJVMとAndroid用のオープンソースプログラミング言語の正式版がリリース。既存のコードやインフラとの相互運用性を重視した実用的なプログラミング言語だという。
チェコのJetBrainsは2月15日(現地時間)、JVM(Java仮想マシン)とAndroid用のオープンソースプログラミング言語「Kotlin 1.0」のリリースを公式ブログで発表した。
Kotlinは、Apache License 2.0の下、GitHubで公開されている。ブログによると、これまでのコントリビューターは「100人以上」とされており、プロジェクトの主要な支援企業はJetBrainsだという。
Kotlinは、Javaと完全に相互運用可能な「JVM、Android、ブラウザ用の静的型付けプログラミング言語」とされている。サーバサイド、モバイル(Android)、デスクトップアプリケーションなど、Javaが動くところであればどこでも動き、主要なツールやサービス全てに対応しているという。
対応ツールやサービスには、統合開発環境(IDE)の「IntelliJ IDEA」「Android Studio」「Eclipse」、ビルドツールの「Maven」「Gradle」「Ant」、フレームワークの「Spring Boot」、ソースコード共有サービスのGitHub、チームコミュニケーションサービスの「Slack」、ものづくりゲームの「Minecraft」などがある。
JetBrainsはKotlinについて、「既存のコードやインフラとの相互運用性を重視した実用的なプログラミング言語で、十分に成熟しており、本番利用が可能」としている。同社はこの2年間、Kotlinを実際のプロジェクトで大規模に利用しており、同様にKotlinを本番で利用している企業も多いという。
今後のロードマップについてJetBrainsは、Kotlin 1.0では長期にわたって、言語と標準ライブラリの後方互換性を維持し、新しいコンパイラで古いバイナリを引き続き扱うことができ、ランタイムで古いバイナリが新しいバイナリとともに動作し続けるようにすると述べている。ただし、これはJVMとAndroidのサポートにのみ当てはまり、JavaScriptは追ってサポートするという。
さらに、同社は近い将来の目標として、Kotlinツールチェーンの着実なパフォーマンス改善(Gradleでのインクリメンタルコンパイルなど)、JavaScriptサポート(可能であれば、JVMとJSのクロスコンパイルを含む)、Java 8バイトコード生成のサポート強化(ただし、Androidユーザーが必要とする限り、Java 6も積極的にサポートする)を掲げている。
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