連載
仕掛けを作る「戦略家」――ITマーケター:ITエンジニア職業図鑑(5)(2/3 ページ)
プログラマー、SE(システムエンジニア)、プロジェクトマネジャー――IT業界のさまざまな職業を紹介する本連載。第5回は「ITマーケター」の仕事内容や適正を解説する。
ITマーケターに必要なスキルは?
顧客とWin-Winの関係を築けるITマーケターになるには、どのようなスキルが必要なのだろうか。まず、マーケティングの基本的な手法を三つ紹介しよう。
4P戦略
PEST分析
- P (Politics) 政治/法律面からの分析
- E (Economy) 経済面からの分析
- S (Society) 社会/ライフスタイル面からの分析
- T (Technology) 技術面からの分析
4C分析
- C (Customer分析) 顧客のニーズを把握する
- C (Competitor分析) ライバルの動向や特徴を分析する
- C (Company分析) 自社の強み/弱みや現有リソースを基に、自社の特徴や今後の方向性を分析する
- C (Cooperator(協力業者)分析) どの企業が自社の欠点を補って成功要因を満たすのにふさわしいかを分析する
マーケティングには、「調査」や「分析」の能力が必要だ。だが、必要なスキルはそれだけではない。調査・分析結果を基に、具体的な戦略・戦術を組み立てる能力、社内外と連携して共同研究や実証実験、先行(パイロット)開発を行うための「コミュニケーション力」や「調整力」、形のないものから形のあるものに結び付けていくための「構成力」なども必要だ。
また、社内・社外でのセミナー講演を企画したり、自ら講演したりする場合もあるため、相手に「伝える力」が求められたり、国内外の市場調査や海外のIT関連企業との協業に必要な「語学力」が求められることもある。
ITマーケターに向いているのはどんな人?
ITマーケターは華やかそうに見えるが、実際は地道で、根気や継続性が必要な職種である。
入社後すぐにマーケティングを担当するケースはまれで、IT関連の技術職やITセールスなどに従事してから転身し、それまでの経験を基に活躍する人が多い。ITマーケターを目指す人は、日ごろからマーケティングの視点で物事を考える習慣を持ち、市場や顧客、自社の立ち位置を押さえる思考回路を持つとよい。
さらに、「探究心」がある人や、市場を自身で切り開いていこうという「気概」のある人は、ITマーケターに向いている。
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