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Windows 10のトラブルシューティング事例――グループポリシーエディターのエラーを素早く解決する山市良のうぃんどうず日記(64)(3/3 ページ)

Windows 10初期リリースを経由してWindows 10 バージョン1511にアップグレードしたWindows 10では、「グループポリシーエディター」を開くとエラーが表示されます。この不具合が発生する経緯から、クライアントPCを一括修正する方法までを解説します。

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グループポリシーのスタートアップスクリプトで大量のPCの問題を一括修正する

 Active Directoryドメインに、Windows 10 バージョン1511にアップグレードしたクライアントPCが大量に存在する場合は、グループポリシーのスタートアップスクリプトにバッチファイルを指定してクライアントPCで実行させることで、問題のPCを一括修正することができます(画面7)。

画面7
画面7 グループポリシーのスタートアップスクリプトを利用してWindows 10 バージョン1511の管理テンプレートの問題を一括修正する

 以下のバッチファイル「fixwin10admxbug.cmd」は、「Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx」と「LocationProviderADM.admx」の両方が存在するPC、つまりWindows 10初期リリース経由でWindows 10 バージョン1511にアップグレードしたPCで対処が必要な場合にのみファイルを削除するように工夫してあります。また、日本語環境(ja-JP)だけでなく、他の言語環境(en-USなど)にも対応しています。

@echo off
for /F "tokens=3* delims= " %%A IN ('REG QUERY "HKCU\Control Panel\International" /v LocaleName') do set language=%%A
for /F "tokens=3* delims= " %%A IN ('REG QUERY "HKCU\Control Panel\Desktop" /v PreferredUILanguages') do set language=%%A
if not exist %SYSTEMROOT%\PolicyDefinitions\Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx goto END
if not exist %SYSTEMROOT%\PolicyDefinitions\LocationProviderADM.admx goto END
echo Remove %SYSTEMROOT%\PolicyDefinitions\Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx
echo    and %SYSTEMROOT%\PolicyDefinitions\%language%\Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.adml
takeown /F "C:\Windows\PolicyDefinitions\Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx" /A
takeown /F "C:\Windows\PolicyDefinitions\%language%\Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.adml" /A
icacls "C:\Windows\PolicyDefinitions\Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx" /grant BUILTIN\Administrators:(F)
icacls "C:\Windows\PolicyDefinitions\%language%\Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.adml" /grant BUILTIN\Administrators:(F)
del "C:\Windows\PolicyDefinitions\Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx"
del "C:\Windows\PolicyDefinitions\%language%\Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.adml"
:END
Windows 10 バージョン1511の管理テンプレートの問題を一括修正するバッチファイル「fixwin10admxbug.cmd」

4月の更新で今度は「WindowsSore.admx」エラー問題が……

 これで一安心と思いきや、4月中旬になって、今度は「WindowsSore.admx」がエラーになる問題が発生しました(画面8)。この問題の原因は、4月13日にWindows 10 バージョン1511向けに配布された「累積的な更新プログラム(KB3147458)」の不具合のようです。

画面8
画面8 4月の更新で今度は「WindowsSore.admx」エラーが発生。次の累積的な更新プログラムで修正されることを期待

 今度の問題は「Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx」のエラーと同じようには対処できません。累積的な更新プログラム(KB3147458)をアンインストールすれば解消しますが、次の累積的な更新プログラムで解消されることを期待しています。

 この問題は表示上のエラーだけでなく、「コンピューターの構成(およびユーザーの構成)¥管理用テンプレート¥Windowsコンポーネント¥ストア」ポリシーを編集できなくなるという問題です。もし、このポリシー設定を利用していて、早急に対処したいという場合は、筆者の個人ブログに「WindowsSore.admx」のエラーを解消する方法を説明していますので、参考にしてください。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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