2016年の国内IT市場はマイナス成長予測、ハードウェア市場が低調──IDCジャパン:2020年も、Windows 7特需反動でマイナス成長予測
IDCジャパンは、2016〜2020年の国内製品別IT市場予測を発表した。2016年の国内IT市場規模は対前年比−0.4%のマイナス成長になるという。また、2020年の国内ICT市場予測も、Windows 7のサポート終了の影響でマイナス成長が見込まれる。
IDCジャパンは2016年5月9日、2016〜2020年の国内製品別IT市場予測レポートを発表した。2016年の国内IT市場規模は14兆5683億円で、対前年比−0.4%のマイナス成長になるという。
製品別に見ると、国内ハードウェア市場、国内ITサービス市場、国内パッケージソフトウェア市場予測はそれぞれ、約6兆1768億円、約5兆5003億円、約2兆8912億円。対前年比成長率は、ITサービスとパッケージソフトウェア市場については、対前年比成長率でそれぞれ2.1%、4.6%とプラス成長を見込む。
ただし、2016年はエンタープライズネットワーク機器以外の全てのハードウェア製品市場がマイナス成長となり、国内ハードウェア市場全体の対前年成長率は−4.7%と予測される。なお、国内IT市場の2015〜2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.8%と予測されており、2020年の国内IT市場規模は約15兆2413億円まで伸長する見込みだ。
一方、国内IT市場に国内通信サービス市場を加えた国内ICT市場まで広げると、2016年の市場規模は25兆2670億円、前年比成長率は−0.6%と見込まれ、国内ICT市場の2015〜2020年のCAGRは−0.3%。2020年の同市場規模は約25兆37億円とマイナス成長になると予測される。
2020年のマイナス成長を予測する根拠の1つとして、IDC JapanではWindows 7のサポート終了を挙げている。2020年はオリンピック開催で景気が上向くとされるが、Windows 7のサポート終了日が2020年1月であることから、2019年のPC市場は更新需要増が予測される半面、その反動で2020年には大幅なマイナス成長になると見られている。
関連記事
- 国内の金融IT市場は堅調、IDCジャパンが最新市場予測を発表
IDCジャパンが、国内金融IT市場について最新予測を発表。前年比成長率は0.6%と堅調で、特にメガバンクは3.0%と強めを予想した。金融機関は積極的なIT活用を模索しており、FinTech企業との連携を強化する大手金融機関が増加するとした。 - IDCがクラウドインフラソフトの国内市場規模を予測、2019年は2014年の4倍に
IDCジャパンは、国内クラウドインフラストラクチャソフトウェア市場規模について、2014年の実績と2019年までの予測を発表した。2014年は143億7300万円。2015年は対前年比36.5%増、2019年は2014年の約4倍と予測する。 - 国内セキュリティ市場はSaaS型、UTM、IPSなどが成長をリード――IDCジャパン
IDCジャパンは、国内情報セキュリティ製品市場について、2015〜2019年の予測を発表した。それによると、市場規模は2014年の2158億円から2019年には2731億円に拡大するという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.