上級職への登竜門――ITスペシャリスト:ITエンジニア職業図鑑(8)(1/2 ページ)
プログラマ、SE(システムエンジニア)、プロジェクトマネジャー――IT業界のさまざまな職業を紹介する本連載。第8回は、各技術の専門家「ITスペシャリスト」を解説する。
一口に「ITエンジニア」と言っても、その仕事は職種によってさまざまだ。「ITエンジニア職業図鑑」は、「プログラマ」「ITコンサルタント」「フィールドエンジニア」などのIT業界に存在するさまざまな職業を取り上げ、仕事内容や必要とされる能力、仕事のやりがいなどを紹介する。IT業界に興味のある学生諸君の職業選択の参考になれば、幸いだ。
前回は、米「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌で今世紀で最もセクシーな職業と評された「データサイエンティスト」を解説した。今回は「ITスペシャリスト」。他のエンジニアと比べて、どこが「スペシャル」なのだろうか?
ITスペシャリストとは
ITスペシャリストは、「プログラマ」や「ITマーケター」などの職種とは異なる、特定の技術に関する専門家の総称である。
技術変化のスピードが早く、技術領域が複雑に関連し合う現在は、全ての技術の専門知識を1人の人間が習得するのは現実的に不可能といえる。
ITスペシャリストの専門分野は、「プラットフォーム」「ネットワーク」「データベース」「アプリケーション共通基盤」「システム管理」「セキュリティ」である。幾つかの分野は、ITスペシャリストとしての専門性の高さを認定する「情報処理技術者試験」が行われている(図の赤で囲った試験)。
ITスペシャリストは、おおむね同じタイミング(要件定義〜テスト)で開発プロジェクトに登場する。
プロジェクトマネジャーがプロジェクトの立ち上げからリリースまでの全工程に携わるのに対し、ITスペシャリストはその一部の工程に参画し、プロジェクトマネジャーの指示の下で専門知識を生かす。
例えば、情報セキュリティスペシャリストであれば、セキュリティに対するシステム要求、運用要件を分析し、効率性・信頼性・安全性・コストを考慮した上で、実現方式を設計し、開発およびテストを行う。
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