第3回:Apache Cordovaでプラグインを使ってみよう:連載:Visual Studio+Apache Cordovaで始めるiOS/Androidアプリ開発(3/5 ページ)
Apache Cordovaのプラグインを使うと、OSプラットフォームの判別やファイルの読み書きなどが可能になる。本稿ではその方法を解説する。
3. Fileプラグインで設定データを保存しよう
Fileプラグインを使うと、デバイスにあるファイルにアクセスできる。ここでは、Fileプラグインを使って、アプリの設定データをファイルに保存してみよう。
Fileプラグインを導入しよう
プロジェクトへ導入する方法は、前述したDeviceプラグインと同様だ。コンフィギュレーションデザイナーで[コア]プラグインの一覧の中から[File]を選択してプロジェクトに追加すればよい。
標準でアクセスできるフォルダ
Fileプラグインが標準でサポートしているフォルダは、cordova.fileプロパティに定義されている。主なフォルダを次の表に示す。ここでは、dataDirectoryフォルダに設定データを保存することにしよう。
cordova.file | 説明 | Android | iOS | Windows |
---|---|---|---|---|
applicationDirectory | アプリがインストールされているフォルダ。読み取り専用 | ○ | ○ | ○ |
dataDirectory | アプリごとに割り当てられた、データ保存用のフォルダ | ○ | ○ | ○ |
syncedDataDirectory | dataDirectoryと同様だが、クラウドを介して他のデバイスと同期される(ローミング) | × | ○ | ○ |
tempDirectory | アプリごとに割り当てられた、一時データ保存用のフォルダ。ここに保存したファイルは、使っていないときにOSによって自動的に削除される | × | ○ | ○ |
詳しくは、FileプラグインのWebページの「Where to Store Files」を参照。
なお、上の表の「×」印はOSがサポートしていないフォルダである。例えば、syncedDataDirectoryフォルダを使いたいと思っても、Androidでは利用できない。そこで、前に紹介したdeviceプラグインを使ってOSを判別し、利用するフォルダをOSによって使い分けることになる(本稿ではsyncedDataDirectoryフォルダは使用しない)。
前回のアプリを改造する
前回のソースコードには、画面の背景色を変更するダイアログを出すコードがある。そこで変更した設定をファイルに保存するように改造していこう。
まず、アプリの設定を保持するオブジェクトを定義しよう。そのオブジェクトにはアプリのどこからでもアクセスしたいので、windowオブジェクトに保持してもらうことにしよう。index.jsファイルの冒頭に、次のコードを追加する。
(function () {
"use strict";
// このアプリで使う設定を格納するオブジェクト
window.settings = {
'bgColor': null // 背景色を表す文字列
};
……省略……
index.jsファイルの冒頭部分に、太字の部分を追加した。
ここではbgColorプロパティの1つだけだが、カンマで区切って必要なだけ設定項目を記述できる。
次に、設定ダイアログを出す部分を、次のコードのように変更する。前回のコードでは画面の背景色をセットしていた部分を、setBackgroundColorFromUserInput関数に切り出す。その関数の中では、画面の背景色をセットした後で、背景色を上記のsettingsオブジェクトに保持し、saveSettings関数を呼び出してsettingsオブジェクトの内容をファイルに書き出している。ただし、saveSettings関数は、まだ空っぽである。この後、Fileプラグインを使ってその中身をコーディングしていく。
// 設定ダイアログの定義(jQuery UI)
$('#dialog').dialog({
autoOpen: false,
modal: true,
buttons: {
"更新": function () {
// 画面の背景色を、テキストボックスに入力された値にし、その設定を保存する
setBackgroundColorFromUserInput();
},
"OK": function () {
// 画面の背景色を、テキストボックスに入力された値にし、その設定を保存する
setBackgroundColorFromUserInput();
$(this).dialog('close');
}
}
});
……省略……
// 画面の背景色を、テキストボックスに入力された値にし、その設定を保存する
function setBackgroundColorFromUserInput() {
// 画面の背景色をセット(jQuery)
$('body').css('background-color', $('#backColorText').val());
var newBgColor = $('body').css('background-color');
if (window.settings.bgColor !== newBgColor) {
// 背景色が実際に変わっていたら、
// それを設定データに反映し、設定ファイルに保存する
window.settings.bgColor = newBgColor;
saveSettings();
}
}
function saveSettings() {
// これから作る
}
前回のコードから、太字の部分を変更/追加した。
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