2015年のInteropで2冠のナパテックジャパン、目指すは「Smarter Data Delivery」:Interop Tokyo 2016
ネットワーク解析アクセラレータとネットワークレコーダーで知られるナパテックジャパン。「Smarter Data Delivery」というテーマを掲げ、Interop Tokyo 2016でインターネット利用の高度化に対応する製品を展示する。
ナパテックは、ネットワーク解析アクセラレータの世界で知らない人はいない、有名な企業だ。2003年にデンマークで設立された同社は、この世界におけるリーダーとして君臨し続けている。
ネットワーク解析アクセラレータは、ネットワーク上を流れるパケットをキャプチャし、アプリケーションが必要とするデータをスマートに提供できるハードウェアだ。高速なネットワークでも、汎用ネットワークアダプタを使った場合のような取りこぼしは発生しない。このため、ネットワーク製品の性能テストからセキュリティ分析に至るまで、様々な用途で活用されている。実際に、ネットワークモニタリングやセキュリティ解析装置のハイエンド製品は、ほとんどがナパテックを採用しているという。顧客には、IBM、Lancope(現Cisco)、Symantecが含まれている。
ナパテック製品の価値を理解する人は、日本でも早くから多数存在した。そこで同社は2012年に日本法人を設立。以来、カントリーマネージャーの大岩直樹氏と、フィールド・アプリケーション・エンジニアの野澤一雄氏が、販売パートナーとの密接な協力の下で、同社製品の提供支援とサポートの活動を続けている。
「日本のユーザーは、世界的に見ても洗練されています。高度なニーズに応えるため、この市場に深くコミットし、販売パートナーとともに確実なサポートを継続的に提供することが重要だと考えています」とカントリーマネージャーの大岩氏は話す。
日本国内でも、多くの実績がある。例えばNTTアイティは、4K/8K映像ストリームのモニタリングシステム(viaPlatz Stream Monitor)でナパテックのネットワーク解析アクセラレータを採用している。
ネットワーク解析アクセラレータの実績を基に、ナパテックは事業範囲拡大しつつある。2015年には、高速ネットワークレコーダーの「Pandion」を発表、Interop Tokyo 2015 のBest of Show Awardで、マネジメント&モニタリング部門のグランプリを獲得した。ちなみに同社は、200Gbps対応のネットワーク解析アクセラレータで、同部門の準グランプリを獲得、2冠を達成した。
「現在のナパテックにおける事業テーマは『Smarter Data Delivery』です。『必要なデータを必要な時にリアルタイムでもれなく取得し、提供する』ニーズが、世界でも日本でも、大きく広がりつつあります。広帯域でデータをきっちりと取得できる独自技術を基に、ますます多くの方々のお役に立つ存在になりたいと考えています」(大岩氏)
PandionではHDD容量を柔軟に拡張できる新製品が登場
高速ネットワークレコーダーのPandionは、ナパテックのネットワーク解析アクセラレータをサーバに搭載し、独自のデータ書き込みや圧縮、インデクシングなどの機能をソフトウェアとして組み込んだ製品だ。
「弊社のアクセラレータは、パケットをキャプチャし、サーバのメモリにフルワイヤレートで届けることができます。しかし、サーバのメモリからデータをディスクに書き込む際に、ディスクI/Oがボトルネックになるという課題がありました。『キャプチャデータの保存を含めて支援してくれないか』というお客さまからの声が多く、これを受けて開発したのがPandionです」(大岩氏)
Pandionはパケットデータを高精度なタイムスタンプとともに、もれなく確実に書き込み、保存し、必要に応じて抽出できる機能に徹している。これに任意の解析ソフトウェアツールを組み合わせることで、目的に適した解析環境を構築できる。
同製品は幅広い用途に使われている。ネットワーク解析における障害発生から解決までの時間の短縮、SLAを守るためのネットワークパフォーマンス管理、通信事業者における設備投資のプランニング、ネットワークデータの保管が義務付けられている規制への対応、金融取引における監査やクレーム対応の証跡管理、セキュリティインシデント対応における証跡管理、などだ。ネットワーク解析装置ベンダーがこの製品に自社ソフトウェアを組み合わせて、自社製品として販売している例もある。
「国内では、通信事業者がアクセスネットワークを含めた高速化に対応し、通信品質担保や障害対策のために使いたいというニーズが根強くあります。また、セキュリティ侵害に備え、データを一定期間取りためておきたいというニーズが急成長しています。市場取引におけるネットワーク遅延をモニターするために活用する例も出てきています」(大岩氏)
セキュリティでは、IDSなどからのアラートを受けて、実際に何が起こったのかを分析するために、Pandionのデータを活用することが多いという。クレジットカード会社やソーシャルメディア、クラウドサービス事業者など、Pandionを活用している業種は多岐にわたる。
「IDSなどがセキュリティ脅威を検知した段階で、発生事象の前後一定時間における対象ネットワークフローをPandion上で抽出して分析するのが典型的な利用パターンです。Pandionでは送信元IPアドレス、送信先IPアドレス、ポート番号、プロトコルの種類、そして時間を指定して、高速な抽出ができます」と、ナパテックジャパン フィールド・アプリケーション・エンジニアの野澤一雄氏は説明する。
ナパテックが2015年に販売開始した「Pandion 20」はディスク容量が最大56TBで、長時間・大量のパケットキャプチャには不十分なケースもある。そこで同社は2016年2月、「Pandion Flex」という新製品を発表した。
Pandion Flexはディスクユニットを8台まで接続でき、最大648TBの容量を確保できる。パケットキャプチャスピードもディスク容量に合わせ、10Gbpsから40Gbpsまで拡張可能だ。
「パケットをキャプチャして保存する製品はいくつか存在していますが、Pandionではパケットの取りこぼしがなく、データを圧縮して効率的に保存できるようになっています。パケットのペイロードを削除するなど、データをスライスして保存することももちろん可能です。一方、インデクシングなどの技術によって、実効的なデータ抽出レートは2Gbpsを超えています。これほどの性能を発揮する製品はおそらく他にないと思います。抽出でなく、直接データにアクセスするような製品もありますが、その場合、分析対象をどうやって簡単・高速に絞り込めるかという問題があります。Pandionの場合、このような心配はありません」(野澤氏)
Interop Tokyo 2016では、PandionがShowNetにも参加
ナパテックジャパンは、リリース済みの200Gbps対応ネットワーク解析アクセラレータとともに、上記の「Pandion 20」「Pandion Flex」を2016年6月8〜10日に開催のInterop Tokyo 2016に出展する。Pandionは、Interop名物の展示会場内ネットワークShowNetにも販売パートナーの丸文を通じて提供される。
ShowNetが運営されるのはInterop Tokyo会期中のみだが、世界中から攻撃や攻撃未満のパケットがやってくる。ShowNet運営チームは、他社のセキュリティ監視製品との連携により、どのような攻撃が発生しているのかを可視化するためにPandionを活用する。
IPネットワークが社会インフラになったからこその課題
IPネットワークは、様々な社会サービスやビジネスの基盤として利用され、ますますその重要性が高まっている。だが、逆の言い方もできる。IPネットワーク上でますます重要なサービスが提供されるようになってきている。そこで、サービスの品質やセキュリティの確保は、避けることのできない課題になってきている。大岩氏は次のように語っている。
「ネットワークは、高速化の道を突き進んできました。加えて最近では、情報活用の価値を付加する、もしくは品質を担保する、といった点に関心が高まっています。ナパテックは、広帯域でデータを確実に取得できるテクノロジーリーダーとして、こうしたニーズの広がりを実感しています。
2020年の東京オリンピックに向けて、『ビッグデータ』『4K/8K映像配信』『5Gモバイル通信』『IoT(Internet of Things)』といったキーワードに関連し、今後も多様な技術やソリューションの活用が進みます。これら全ては広帯域なネットワーク接続を利用しますが、安全、確実、的確で付加価値の高いサービスが求められます。ナパテックは、Smarter Data Deliveryを通じ、こうしたサービスに取り組む方々のお役に立てるよう、これからも努力を重ねていきたいと考えています」
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提供:ナパテックジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年6月25日