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Hyper-Vホストクラスタの新機能(2)──仮想マシンの開始順序vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目(55)(2/2 ページ)

前々回は、「Windows Server 2016 TP5」から利用可能になったフェイルオーバークラスタリングのHyper-V向け新機能の1つ、「仮想マシンのノードフェアネス」を説明しました。今回は、「仮想マシンの開始順序」を説明します。

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依存関係の最上位の仮想マシンを開始すると……

 Windows PowerShellコマンドレットで依存関係を定義したら、依存関係の最上位としたアプリ層の仮想マシン「havm-myapp」だけを開始します。すると、開始した仮想マシン「havm-myapp」は“オフ状態”のまま、データベース層グループ「DbTier」に追加した「havm-db01」と「havm-db02」が開始中になって、その後、実行中となりました(画面3)。

画面3
画面3 アプリ層の仮想マシン「havm-myapp」を開始すると、データベース層グループ「DbTier」の仮想マシンが先にスタート

 続いて、「DbTier」に依存するミドル層グループ「MidTier」の仮想マシン「havm01」と「havm02」が開始中、実行中となりました。ただし、「MidTier」の仮想マシンが開始中の状態で、既に依存関係の最上位とした「havm-myapp」が開始中となり、実行中の状態になってしまいました(画面4)。

画面4
画面4 「DbTier」に続いて、ミドル層グループ「MidTier」の仮想マシンがスタート。ただし、この時点で最上位の「havm-myapp」が開始してしまった。これは意図していなかった動作

 この動作には疑問が残りますが、開発途中の機能ということですので、よしとしましょう。恐らく、2段階の依存関係に対応しきれていないのだと思います。こちらも正式リリースまでに改善されることを期待しましょう。

定義済みの依存関係を確認するには

 GUI管理ツール「フェイルオーバークラスターマネージャー」には、依存関係レポートを作成する機能がありますが、現状、これには「仮想マシンの開始順序」の依存関係は含まれません。

 仮想マシンのグループと、定義済みの依存関係を確認するには、「Get-ClusterGroupSet」および「Get-ClusterGroupSetDependency」コマンドレットを使用します。仮想マシングループと単一の仮想マシンの依存関係については、「ClusterGroupDependency」コマンドレットで確認できるはずでしたが、残念ながらパラメータがエラーとなって確認できませんでした(画面5)。

画面5
画面5 「仮想マシンの開始順序」は、標準のクラスタリソースの依存関係レポートに含まれない。Windows PowerShellのコマンドレットで確認する

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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