「タクトスイッチでキャラクターの動きを制御する」UWPアプリを作る:ラズパイ3&Toradex、Windows 10 IoT Coreで楽しみながら検証するIoT実践入門(終)(4/4 ページ)
ITエンジニアに向け、「ビジネスに貢献するIoT活用」の第一歩を踏み出す「ひらめき」を得てもらうための本連載。今回は、物理ボタンのオン/オフでシステムの動きを制御するUWPアプリを作ってみよう。
IoTハードウェアに配置し、動作チェックを行う
作成したUWPアプリを、Raspberry Pi 3とToradexに配置して動作させてみた様子は以下の通りだ。タクトスイッチのオンと連動し、LEDの点灯とアプリ画面内のキャラクターがジャンプをする様子を見ていただきたい。
グラフィックスアクセラレータのTegra 3を搭載するToradexでは、なかなかスムーズに動作する。一方のRaspberry Pi 3では、LEDは点灯するものの、キャラクターの制御に時間がかかる。今回のような3D描画性能を要するプロジェクトとなると、残念ながらパフォーマンスが足りないようだ。
まとめ
今回で全7回にわたった本連載は終了となる。全体的に、サンプルプロジェクトとしてUnity 5.3の3Dキャラクターを使ったUWPアプリで検証したことから、グラフィックスアクセラレータのTegra 3を搭載するToradexの適用範囲の広さが印象に残ったが、高い3D描画性能が必要ないUIならば、もちろんRaspberry Pi 3でも問題なく動作する。用途やアプリの内容に応じて、適宜応用していただきたい。
「もっと楽になる」「もっと早く/速くする」「もっと運用コストを下げる」「もっと自動化する」「もっと会社/従業員/お客さんに貢献する」……。数百円から1万円ほどで入手できる「IoTボードコンピュータ」とIoT向けOS、UWPアプリを通じ、皆さんは何か「ビジネスに貢献するアイデア」は思い付いただろうか。
参考書籍
- 『Raspberry Pi 2とWindows 10ではじめるIoTプログラミング』(宇田周平/林宜憲 著、マイナビ出版刊)
筆者紹介
薬師寺 国安(やくしじ くにやす) / 薬師寺国安事務所
薬師寺国安事務所代表。Visual Basicプログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット「PROJECT KySS」を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySSの活動に本格的に参加。.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindowsストアアプリを多数公開中。
Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)
Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)
Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)
Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development(Oct 2014-Sep 2015)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「Raspberry Pi 3」で早速チェック──「IoTハードウェア」を準備する
ITエンジニアに向け、「ビジネスに貢献するIoT活用」の第一歩を踏み出す「今後のひらめき」を得てもらうための本連載。初回は、登場間もない「Raspberry Pi 3」を中心に、IoTハードウェアとWindows 10 IoT Coreを準備するまでを解説する。 - 「Raspberry Pi 3」が登場。Windows 10 IoT Coreは早速サポートを表明
無線通信モジュール付きのRaspberry Pi 3が登場。搭載チップの性能も向上している。マイクロソフトは発売当日にWindows 10 IoT Coreでのサポートを表明している。 - 第1回 Windows IoTを始めよう
見聞きしない日はないほど流行している「IoT」。でも、どうやったら使えるのか? 本連載では読者諸氏が慣れ親しんだWindowsのIoT版を使って、IoTを実践してみる。まずは概要とインストールから始めよう。