Facebookのプライバシー設定に関するデマが再び拡散:「宣言しても価値がなく、何の意味もない」
Facebookのプライバシー設定に関するデマが再び広まっている。セキュリティ企業のESETが注意を喚起した。
スロバキアのセキュリティ企業ESETは2016年10月20日(現地時間)、公式ブログ WeLiveSecurity.comで、Facebookのプライバシー設定に関するデマが再び広まっていると注意を喚起した。以下、内容を抄訳する。
このデマが初めて流れたのは、少なくとも2012年までさかのぼることができ、以後何度も広まっている。
このデマは、Facebookのウォールに投稿された告知という体裁で、「プライベートの写真や投稿がFacebookによって公開されるようになる。それを防ぐには、この投稿をコピーして自分のウォールに張り付けろ」と促すというもの。以下のように、もっともらしい説明も加えられている。
「注意:Facebookは上場企業になりました。全ての会員がこうした告知を投稿する必要があります。お望みなら、このバージョンをコピーして張り付けることができます。告知を少なくとも1回は公開しないと、あなたの写真や、あなたが更新するプロフィールに含まれる情報の利用を許可することになってしまいます。なお、告知は絶対にシェアせず、必ずコピーして張り付けてください」
2012年にデマが初めて流れたとき、米フェイスブックは、「Facebookを使う人は全て、利用規約に記されている通り、自分が投稿するコンテンツや情報を所有し、管理下に置いています。そのコンテンツや情報がどのようにシェアされるかも管理できます。これまでもこれからも、常にこれが私たちのポリシーです」とコメントし、「うわさにすぎない」と一蹴した。
しかし、デマはさまざまなバリエーションで再三広まっている。ここに来て復活した理由は不明だ。
ソーシャルメディアを専門に手掛ける弁護士のブラッドリー・シアー氏が説明しているように、ユーザーはFacebookの利用規約に同意した時点で、「自分が投稿する全てのコンテンツについて、非排他的で、譲渡可能な、ロイヤリティーフリーの全世界での使用ライセンスを許諾」していることが前提にある。さらにシアー氏は、次のように付け加えている。「だからといって、著作権について何も宣言する必要はない。ユーザーはもともと法律で守られているからだ。このデマの告知でプライバシーについて宣言しても価値がなく、何の意味もない」
ユーザーがこうしたデマをうのみにしてしまうと、デマを拡散する片棒を担ぐことになる。多くのFacebookユーザーがこのデマをコピーして自分のウォールに張ってしまっていることを勘案すると、こうしたユーザーがプライバシー設定をきちんと理解できていない状況への課題もあるが、こうしたデマは不注意な別のユーザーを誤解させ、時間を浪費させてしまう恐れがあると注意を促している。
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