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野村総研、2022年度までの国内ICT市場予測を発表IoT市場は2022年度に3兆円規模まで拡大

野村総合研究所が、2022年度までのICTに関連する主要分野についての動向分析と市場規模の予測を発表。主要市場はIoTや携帯端末がけん引し、引き続き成長すると予測する。

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 野村総合研究所(NRI)は2016年11月21日、2022年度までの情報通信技術(ICT)市場予測を発表。ソリューション、ネットワーク、デバイス、プラットフォームといった主要市場別の動向分析と市場規模予測を行った。

 ソリューション市場については、「IoT(Internet of Things)」が成長をけん引していくと予測される。スマートデバイスを中心とする情報伝達手段の高度化に加え、ネットワークの高速化、データ分析技術の発展などを背景に、IoT分野の市場規模は2015年度の約5200億円から2022年度には3.2兆円まで拡大すると見込まれる。また、企業のIT投資意向としても、IoTの普及によって、従来の「IT部門×システムインテグレーター」型から、より迅速で軽量なIT開発を行う「現業部門×クラウドプレイヤー」型の投資が拡大すると予測される。

 この他、サイバー攻撃の脅威が増大し続けていることから、情報セキュリティ分野が拡大すると推測される。また、データセンターやクラウド分野は2022年度までは引き続き堅調と見込まれる。

photo 国内のIoT市場規模の推移と予測(出典:NRI)

 ネットワーク市場では、携帯電話の契約回線数が、2015年度の約1億5405万回線から2022年度には約1億7789万回線に増加すると予測される。これは、モバイルデバイス数のそのものの増加に加え、多様なMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)の登場とさらなる発展があると予測されるためだ。端末に内蔵される通信モジュールの契約数も、2015年度の1520万回線から2022年度には2351万回線に増加すると推測される。

photo 国内の携帯電話・PHS契約回線数の推移と予測(出典:NRI)

 固定ブロードバンド回線の加入件数もやや増える。2015年度の約3470万件に対し、2022年度は3691万件になると予測され、その中心は光回線の増加となる。例えば、NTTの所有する光ファイバー回線を他企業が自社のサービスとセットで提供する光回線の自由化施策が一般化することで、通信事業者以外の企業も通信サービスに参入して、市場全体が活性化するためと予測している。

 デバイス市場は、引き続きスマートフォンやタブレット端末が市場をけん引する。ただし、普及率の上昇や新興国向け販売比率の拡大などにより、2022年度に向けて出荷台数の成長率は鈍化し、価格の下落なども見込まれる。スマートフォンを含む携帯電話端末の全世界販売台数は、2014年度の19億8800万台から2022年度には22億7700万台に増える見込み。同じくタブレット端末の販売台数は、2015年度の2億2000万台から2022年度には2億8000万台となり、そのうち国内では、2015年度の770万台から2022年度には990万台になると予測される。

photo 世界の携帯電話端末販売台数の推移と予測(出典:NRI)

 プラットフォーム市場についても、2022年度まではスマートフォンやタブレット端末が引き続き市場をけん引するとみられる。スマートフォンアプリからのネット接続数が増加し続けることから、インターネット広告市場ではアプリ内のリワード広告や、SNSなどを活用した新たな広告手法も登場する。それらによって、インターネット広告市場全体で、2015年度の9194億円から2022年度には1兆2725億円まで拡大する見込み。モバイル向け広告の比率も、2015年度の約42%から2022年度には約60%になると予測される。

 併せて、企業と消費者間の電子商取引(B2C EC)市場も大きく伸び、2015年度の15.4兆円から2022年度には26兆円に達する見込みだ。特に、スマートデバイスによって、時間や場所を問わずにECを利用できる環境が一般化しつつあることが市場成長を後押しする要因とされている。

photo 国内におけるB2C電子商取引市場規模の推移と予測(出典:NRI)
※野村総合研究所より「プレスリリース内容に誤りがあった」旨の連絡を受け、グラフ「世界の携帯電話端末販売台数の推移と予測」の一部を修正しました。


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