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HTTPで稼働しているWordPressサイトを「常時SSL、HTTP/2化」する方法(準備編)とにかく速いWordPress(15)(2/3 ページ)

エンタープライズ用途での利用が増えている「WordPress」の高速化チューニングテクニックを解説する本連載。今回は、既にHTTPで稼働している一般的なWordPressサイトを、常時SSL、HTTP/2化する方法を解説します。

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4:移行先のKUSANAGI環境で、移行元のWordPressサイト(HTTP)を再現する

 移行先となるKUSANAGI環境のコンソールで転送されたファイルを展開します。管理者ユーザーで実行します。

cd /home/kusanagi/
tar zxvfp www.tar.gz
KUSANAGI環境で転送したファイルを展開する

 続いて、データベースのインポート、展開したファイルの配置、wp-config.phpの修正、WordPressのアップデートとKUSANAGI専用プラグインのインストール、オーナーとパーミッションの設定、管理画面へのログインの作業を順に進めていきます。

5:データベースのインポート

 KUSANAGIはInnoDBストレージエンジンに最適化されています。移行元がMyISAMストレージエンジンを利用していた場合には、ここでダンプファイルのテーブルスキーマを書き換えておきます。以下のように、展開したファイル群の中にあるexample.sqlの「ENGINE=MyISAM」となっている部分を「ENGINE=InnoDB」に置換するとよいでしょう。

cd /home/kusanagi/www
sed 's/ENGINE=MyISAM/ENGINE=InnoDB/g' example.sql > example.InnoDB.sql
ダンプファイルのテーブルスキーマを書き換える(移行元がMyISAMストレージエンジンを利用していた場合)

 データベースをインポートします。

mysql -u example -p -h localhost example < example.InnoDB.sql
データベースをインポートする

 インポートしたデータベースのテーブル状況が正しいかを確認します。

mysql -u example -p -h localhost example -e 'show table status'
データベースが正しくインポートされたかを確認

 Engineフィールドが「InnoDB」になっていれば正しくインポートできています。

6:展開したファイルを配置する

 まず、KUSANAGIのプロビジョニングで配置されたデフォルトのドキュメントルートを一時的に待避して、後ほど利用できるようにしておきます。

cd /home/kusanagi/example.com
mv DocumentRoot DocumentRoot.def
デフォルトのドキュメントルートを一時的に待避する

 先ほど展開したファイルを配置します。移行元のドキュメントルートであったhtmlディレクトリを、移行先であるKUSANAGIのプロビジョニングで配置されたDocumentRootディレクトリと同じ位置、ディレクトリ名となるように移動します。

mv /home/kusanagi/www/html /home/kusanagi/example.com/DocumentRoot
KUSANAGI環境でのDocumentRootディレクトリに配置する

 「wp-config.php」をドキュメントルートの1つ上の階層に移動させます。

cd /home/kusanagi/example.com/DocumentRoot
mv wp-config.php ../
「wp-config.php」を1つ上の階層に移動する

7:「wp-config.php」の内容を修正する

 移動した「wp-config.php」の内容を書き換えます。まず、データベース情報の一部をKUSANAGIのプロビジョニング時に設定した内容に修正します。

/** MySQL データベースのユーザー名 */
define('DB_USER', 'exampleuser');
/** MySQL データベースのパスワード */
define('DB_PASSWORD', 'Password123!');
「wp-config.php」の内容を書き換える(1)

 もしWP_CACHE定数が定義されていなかった場合は、wp-config.phpの最終行付近にある「/* 編集が必要なのはここまでです ! WordPress でブログをお楽しみください。 */」の上に、以下の文字列を追加します。

define('WP_CACHE', false);
「wp-config.php」の最終行付近に追加する

 最後に、移行元で「WP SiteManager」プラグインを利用していた場合には、KUSANAGI専用プラグインと一部機能が重複することから、以下の定数を「WP_CACHE定数定義の前後」に定義して、ページキャッシュとデバイス切り替えの機能はKUSANAGI専用プラグインを利用するように設定します。

define('WPSM_DISABLE_CACHE', true);
define('WPSM_DISABLE_DEVICE', true);
KUSANAGI専用プラグインを利用するようにする定数を挿入しておく

 以上で、WordPressが動作する最低限の環境が整いました。ブラウザでKUSANAGI環境のWordPressサイトへアクセスして、正しく機能しているかを確認してください。

 うまく動作しない場合は、wp-config.phpのWP_DEBUG定数を「true」に定義して、表示されるエラーメッセージの内容およびサーバのログ(/home/kusanagi/example.com/log以下および/var/log以下)を確認してみてください。例えば、移行元で使っていたプラグインなどがHHVM、PHP 7などに対応していない場合が挙げられます。KUSANAGIでは、以下のコマンドでPHP実行環境をPHP 7、HHVM(HipHop Virtual Machine)、PHP 5.6に切り替えられるので、言語環境固有の問題かどうかを切り分けてみるとよいでしょう。

kusanagi php7
PHP実行環境をPHP 7へ切り替えるコマンド
kusanagi hhvm
HHVMへ切り替えるコマンド
kusanagi php-fpm
PHP 5.6へ切り替えるコマンド

8:WordPressのアップデートとKUSANAGI専用プラグインのインストール

 動作確認ができたら、手順(6)で退避しておいた「DocumentRoot.defディレクトリの中身」をDocumentRootディレクトリ内に上書きします。DocumentRoot.defディレクトリの中には最新版のWordPressコア、KUSANAGI専用プラグイン、.htaccessなどの制御ファイルが含まれています。これをDocumentRoootディレクトリ内に上書きすることによりWordPressが最新版にアップデートされ、併せて、KUSANAGI専用プラグインがインストールされます。

cd /home/kusanagi/example.com/DocumentRoot.def
/bin/cp -rp * ../DocumentRoot/
退避しておいた「DocumentRoot.defディレクトリの中身」をDocumentRootディレクトリ内に上書きする

 ここで、再度ブラウザでWordPressサイトへアクセスし、動作を確認しておきましょう。

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