残業がなくなれば、人生はバラ色になるの?――ワークライフバランスの正しい取りかた:仕事が「つまんない」ままでいいの?(26)(2/4 ページ)
ワークライフバランスが叫ばれている昨今、残業も大きな問題になっています。しかし、「残業=悪」なのでしょうか。仕事の不満や悩みを解消するヒントをお届けする本連載。今回のテーマは、エンジニアの「仕事と残業の在り方」です。
残業がなければ人生は充実するのか?
でも私は、「残業さえなくなれば、バラ色になるのかな?」という疑問を持っています。
なぜなら、普通の人から見たら「うわー、大変そうだなー」という働き方をしていても、本人は全く気にもしていない人が、少なくとも私の周りにはいるからです。
例えば、私の知人のWebデザイナーは昼夜逆転するようなスタイルで仕事をしています。働いている時間もかなりのものです。傍から見ていると体が心配になりますが、彼にとってはそれが通常のリズムなのだそうです。また、毎日終電という知人もいます。朝は多少ゆっくりみたいですが、先日、「毎日帰りが遅いみたいですけど、大丈夫ですか?」と聞いたら、「このペース、嫌いじゃないんです。というより、楽しい」と言っていました。私は「まぁ、楽しいなら、自然とそうなるよな」と思いました。
これはごく限られた一部の人の話かもしれません。また、年齢や性別、置かれている環境によっても違うでしょう。
でも、やりたい仕事、興味のある仕事に関わっていると、時間も忘れて没頭してしまうことって、あると思うんです。ノリにノっているときは「もうちょっとだけ」と区切りのいいところまでやりたくなるし、納得いくまで仕事をしたくなる。エンジニアならきっと、多かれ少なかれ似たような経験をしたことがあるんじゃないでしょうか。
楽しいことをやっていると時間を忘れて熱中してしまうように、「仕事が楽しい」と思っている人にとって、時間が与える影響は少ないようです。
だからといって、やみくもに長時間働くスタイルを勧めたいわけではありません。「食べて」「動いて」「休む」……これが十分あってこそ、人間の頭と心はちゃんと動くんだと思います。
そうではなく、「労働時間が減ると人生が充実する」、あるいは「労働時間が長いと人生は充実しない」……という単純な話ではないということを言いたいのです。時間の長さよりも、仕事がどれぐらい好きか、楽しいかの方が、充実感に与える影響は大きいんじゃないかなぁ。
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