「実行プラン」を理解すると、パフォーマンス問題の解決能力が一気に向上する:SQL Serverトラブルシューティング(41)(2/2 ページ)
本連載は、「Microsoft SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は、「実行プランの重要性」を解説します。
「実行プラン」の中身をSSMSで確認する
では、実際の実行プランがどのような形になっているのかを確認しましょう。実行プランを確認する最も簡単な方法は、「SSMS(SQL Server Management Studio)」の機能を使うことです(図2)。
SSMSでの実行プランの確認メニューには、「推定実行プランの表示」と「実際の実行プランを含める」の2つがあります。
「推定実行プランの表示」は、クエリを実行することなくプランを表示できます。つまり、クエリ実行前に、作成された実行プランを確認したいときに使います。一方の「実際の実行プランを含める」では、実際にクエリを実行した実行プランを表示します。実際に実行することで、並列操作数など、実行時に決まる値や操作したデータ量なども確認できます。取得できる情報が多い分、トラブルシューティングに有効なのは「実際の実行プラン」となります。
実行プランについては、以前紹介した「SQL Server Profiler」でも情報の採取と確認ができます。特にSQL Serverのトラブルシューティングにおいては、多数のクエリが同時に流れている中で情報を確認するために、SQL Server Profilerなどのツールを使って効率よく情報採取を行うのが一般的です。
次回は、具体的に「どんなときにパフォーマンス問題が起きるか」と、そのトラブルシューティング方法を解説する予定です。
筆者紹介
内ヶ島 暢之(うちがしま のぶゆき)
ユニアデックス株式会社 NUL System Services Corporation所属。Microsoft MVP Data Platform(2011〜)。OracleやSQL Serverなど商用データベースの重大障害や大型案件の設計構築、プリセールス、社内外の教育、新技術評価を担当。2016年IoTビジネス開発の担当を経て、2017年現在は米国シリコンバレーにて駐在員として活動中。目標は生きて日本に帰ること。
椎名 武史(しいな たけし)
ユニアデックス株式会社所属。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
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