千葉銀行、自社スマホアプリに「銀行API」を用いた口座照会機能を実装:“金融機関自ら”のFinTechサービス開発も加速
千葉銀行のスマホアプリに、「銀行API」を利用した新機能が実装された。クラウド型アプリ運営プラットフォーム「Yappli」を用い、銀行APIと連携する。自社アプリ開発のクラウドサービスを活用した銀行API連携はFinTech業界で初の取り組みだという。
千葉銀行のスマートフォンアプリ「ちばぎんアプリ」に、銀行APIを利用した口座照会機能が追加された。自社アプリでのクラウドサービスを活用した銀行API連携はFinTech業界で初の取り組みだという。
銀行APIとは、外部事業者などに銀行システムへのアクセス権を与え、セキュリティを確保しながらも、外部事業者が顧客の同意に基づいて口座情報などを取得できる仕組み。
千葉銀行は日立製作所のネットバンキング共同センターサービス「FINEMAX」によるAPI連携サービスを提供しており、ちばぎんアプリではファストメディアのクラウド型アプリ運営プラットフォーム「Yappli」を用いて、クラウド環境に置かれる自社アプリから、銀行API経由で自社システムへの口座照会機能を実装した。ファストメディアが同機能の開発支援を行った。
銀行APIと連携したことにで、同行に口座を持つ個人客は、アプリから4桁のパスコードを入力するだけで残高や入出金明細を確認できるようになる。これまで必要だったネットバンキング契約なしに同サービスを利用できるようになること、そして、自社ネットワーク外にあるクラウド型アプリと銀行システムを連携できることがポイント。銀行APIの利用拡大は提供者側もサービス開発のハードルを下げられることから、サードパーティーによるサービスだけでなく、金融機関自らもFinTech機能を軸にしたさらなる顧客サービスの向上や開発につなげられると期待が寄せられている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ、“振込”も可能な銀行APIの開放を発表
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2017年3月6日、「MUFG{APIs}」を発表した。オープンAPIについての勉強会、MUFG{APIs}の発表会の模様をお届けする。 - 銀行APIの公開で便利で面白い金融サービスは生まれるか――12の多彩なアイデアが完成度を競ったFintech Challenge 2016
三菱東京UFJ銀行は、FinTechをテーマとしたハッカソンイベント「Fintech Challenge 2016 “Bring Your Own Bank!”」を開催した。この記事では、ハッカソン最終日に行われた12チームによるプレゼンテーションの概要と、審査結果をレポートする。 - FinTechの要はAPI公開――公開側、利用側、ソリューション提供側が語る、その実践ノウハウとは
本特集では金融業界がFinTechでビジネスを拡大するために必要な技術要件を浮き彫りにし、一つ一つ解説していく。今回は、「API公開・活用・管理」について、マネーフォワードや住信SBIネット銀行、日本IBMの取り組みなどを紹介。日本におけるAPIビジネス拡大の今後を占う。 - 国内FinTech市場、2021年度までに808億円規模へ 矢野経済研究所が予測
矢野経済研究所が国内FinTech市場に関する調査結果を発表。市場規模は2015年度の約49億円から、2021年度には808億円まで拡大すると予測される。