ヴイエムウェア、IoT環境一元管理ソリューション「VMware Pulse IoT Center」を発表:エッジデバイス、基幹システム、クラウドまで、IoT環境全体をカバー
ヴイエムウェアがIoTシステム向けソリューション「VMware Pulse IoT Center」を発表した。IoTデバイス、基幹システム、クラウドまで、IoT環境全体を一元管理できるようにする。
ヴイエムウェアは2017年5月10日、企業向けのIoT(Internet of Things)インフラ管理ソリューション「VMware Pulse IoT Center」を発表した。オンプレミス型とクラウドサービスの両方で提供する。
VMware Pulse IoT Centerは、情報技術担当者と運用技術担当者の双方にとって、自社のIoTインフラとそれに接続するIoTデバイスを完全に制御できるようにするためのソリューション。機器の管理には「VMware AirWatch」を、インフラの監視やトラブルシューティングには「VMware vRealize Operations」をそれぞれ利用する。
VMware Pulse IoT Centerによって、追跡、可視化、監視、保護といったネットワークに接続されたIoTデバイスの管理を簡素化し、基幹システムやクラウド環境も含めてIoTシステム全体を一元管理できるようになる。さまざまなIoTデバイスやアプリケーションを単一のコンソールで管理でき、新たに機器を管理対象として追加する工程も同コンソールから行える。ハードウェアやOS、通信プロトコルが異なる機器であっても相互運用が可能という。
IoTデバイスの状態をリアルタイムに可視化でき、異常が発生する前の対応を可能にする。IoTデバイスやネットワーク、アプリケーションといったシステム全体にわたるセキュリティ機能も備えるので、IoTインフラやデータへのアクセスを保護できるとしている。
さらに、ネットワーク仮想化プラットフォーム「VMware NSX(以下、NSX)」をアドオンとして利用することで、IoTインフラ全体の保護も強化できる。NSXを利用してデータを収集する機器からアプリケーションまでのトンネルを構築することで、脅威にさらされるデータのリスクを最小限に抑えられるという。万が一、一部がセキュリティ上の脅威にさらされた場合であっても、機器個別にデータ削除や除外を行う管理をコンソール上で迅速に行える。
提供は2017年中に開始する予定。価格やライセンス情報は、一般提供開始時に発表するとしている。
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