Dell、VDIソリューションを強化 ハイパーコンバージド、シンクライアント、管理ソフトウェアの各製品を刷新:中小企業のVDI化をサポートする「Dell EMC XC Xpress for VDI」など
DellがVDI環境の管理を容易にする新製品群を発表した。ハイパーコンバージドアプライアンス、モバイルシンクライアント、シンクライアントOS、管理ソフトウェアの各製品を刷新した。
Dellは2017年7月6日(米国時間)、VDI(Virtual Desktop Infrastructure:デスクトップ仮想化)環境をこれまでより容易にデプロイ、構成、管理できるようにする広範なVDI製品群を発表した。
発表されたのはハイパーコンバージドアプライアンス「Dell EMC XC Xpress for VDI」、モバイルシンクライアント「Latitude 3480」、シンクライアントOSであるThinOSの最新版「ThinOS 8.4」、新しいVDI管理スイート「Wyse Management Suite」で、ハードウェアからソフトウェアまで、一連のVDI環境をカバーするソリューションとして展開する。
中小企業のVDI利用をサポートする「Dell EMC XC Xpress for VDI」
Dell EMC XC Xpressは、Nutanixのハイパーコンバージドインフラをベースに、サーバ、ストレージ、ネットワーク、仮想化ソフトウェア、クラウドバックアップサービスを1つのアプライアンスに統合した製品。ターンキー型ソリューションとして、製品導入後、短時間でVDI環境を構築できるようにした。ハイパーバイザーとデスクトップブローカーは複数のソフトウェアから選択が可能。中堅中小企業の需要に向け、堅牢でスケーラブルなVDI環境の構築、管理、実行に必要な機能を一元的に提供する。
Dell EMC XC Xpress for VDIの主なメリットは以下の通り。
- デプロイと管理が容易:Dell EMC XC Xpress for VDIでは、エンドツーエンドのVDI構築環境を提供することで、深い仮想化ノウハウや専門サービスの力を借りずにVDI環境を構築できるように工夫している。一連の管理をWebツールベースのNutanix製管理コンソール「PRISM」で行える。
- 柔軟性と選択肢:Dell EMC XC Xpress for VDIは、最大で4ノード構成まで容易にスケールアップでき、業界の主要なハイパーバイザーとブローカー技術に対応する。例えば中堅中小企業、あるいは大企業の部門単位での導入を想定する比較的小規模な環境に適し、大企業向けの「Dell EMC VxRail」や「Dell EMC XC Series」で構築される環境を補完する用途にも活用できる。
- 機能が豊富で高信頼:Dell EMC XC Xpress for VDIは、アプリケーションとデスクトップを配信するための堅牢な機能を備え、3Uサイズと比較的省スペースに設置できる。クラウドバックアップ機能やクラスタの自動修正など、エンタープライズクラスの機能も搭載する。
安全性とモビリティを提供するモバイルシンクライアント「Dell Latitude 3480」
Dell Latitude 3480は、OSにWindows 10の組み込み機器向けエディションである「Windows 10 IoT Enterprise」を搭載したクラムシェルノート型シンクライアント。エンタープライズレベルのセキュリティや管理機能を備えたVDIによる業務ユーザー向け端末として展開する。
- 一般的なノートPCと同等のパフォーマンスとポータビリティ:Dell Latitude 3480は、フルHD解像度の14型ディスプレイと8GBのメインメモリ、トラックパッド付きのキーボードを搭載。一般的なノートPCのモバイル性能と遜色がないパフォーマンスを実現する。また、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用したプロアクティブなマルウェア対策機能「Dell Threat Defense」も備わる。
- 豊富なインタフェース:USB 3.1×2、USB 2.0×1、有線LANポート、HDMI出力ポート、アナログRGBポート、無線LAN、Bluetoothなどのインタフェースを搭載。また、オプションのインタフェース拡張ボックス「Dell D1000 USB Dock Station」も利用できる。
- ソフトウェアの選択肢:Dell Latitude 3480は、「Citrix XenDesktop」「Microsoft RDS」「VMware Horizon」など、主力の仮想デスクトップブローカに対応可能。
プロトコルサポートが拡充された「ThinOS 8.4」
シンクライアントOSの最新版であるThinOS 8.4は、サポートするプロトコルが強化。モバイルでのクラウドネットワーク環境向けに最適化し、バッテリー動作時間の延長に寄与するプロトコル「VMware Blast Extreme」に新たに対応。併せて、仮想ワークスペース環境での高い柔軟性と豊富な管理オプションを備え、ファームウェア署名の検証、簡素化された証明書登録プロトコルのサポートなどのセキュリティ機能も強化されている。
Wyseの新しいシンクライアント管理プラットフォーム「Wyse Management Suite」
Wyse Management Suiteは、大量のシンクライアントのデプロイと管理を容易にするVDI管理スイート。管理者に向け、シンクライアントの管理に必要な工数を大きく削減できるようになるという。
リリース日は以下の通り。
- Dell EMC XC Xpress for VDIは2017年7月20日に発売
- Dell Latitude 3480は2017年7月19日に発売。価格は799ドル(約9万1000円)から
- Wyse ThinOS 8.4は2017年7月7日時点でリリース済み
- Wyse Management Suiteは2017年7月7日時点でリリース済み。なお、Wyse Device ManagerからWyse Management Suiteへの移行機能は次期リリースで提供される。
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