デル、Nutanixソフトウエアを搭載した分散型ストレージ「Dell XCシリーズ」に新モデル
PowerEdgeサーバーとNutanixソフトウエアで構成するWebスケールコンバージドアプライアンス「Dell XCシリーズ」に新モデルが加わる。
デルは2015年11月10日、分散型ストレージ「Dell XC Webスケール・コンバージド・アプライアンス」(以下、Dell XCシリーズ)の新モデルを発表。データセンター向け「XC6320」、グラフィックスを多用するワークロード処理向け「XC730-16G」、小規模な仮想環境向け「XC430-4」、計3モデルを新たに提供する。
Dell XCシリーズは、コンピューティング、ネットワーク、ストレージというデータセンターの主要なコンポーネントを1台の1Uないし2Uのシャシーに統合したアプライアンス。Dell PowerEdgeサーバーと米ニュータニックスからOEM提供された「Nutanixソフトウエア」で構成され、同社では「Webスケールコンバージドアプライアンス」と呼んでいる。個々のサーバーに内蔵されたストレージを束ねて単一のストレージプールを構成できるストレージ仮想化ソフトウエアによって、アプライアンスを並べていくだけでシンプルにスケールアウト(システムの拡張)していける特徴を持つ。
Dell XCシリーズは、ニュータニックス独自の分散ファイルシステムであるNDFS(Nutanix Distributed File System)を搭載する。仮想的にストレージをプール化して管理できるため、LUN(Logical Unit Number)、ボリューム、RAIDグループを個別に管理する従来型のストレージ管理が不要となる。デルの試算によると、サーバー、ストレージ、ネットワークの3層構造となる従来型ソリューションに対し、デスクトップ仮想化インフラの導入を約6倍の速さで導入でき、3年間で最大27%のコスト削減を実現可能という。
新ラインアップは、高密度コンピューティングやサービスプロバイダー、プライベートクラウド向けにPowerEdge C6320を用いた「XC6320」(2U/4ノード型)、グラフィックスを多用するワークロードやアプリケーションを使うユーザー向けVDIにGPUを内蔵するPowerEdge R730を用いた「XC730-16G」(2U/1ノード型)、小規模な仮想環境向けPowerEdge R430を用いた「XC430-4」(1U/1ノード型)の3モデル。価格はXC6320が2178万円(税抜、以下同)から、XC730-16Gが1193万円から、XC430-4が411万円から。それぞれ3年間プロサポートと4時間対応のオンサイト保守サービス(24時間365日)の保守料も含まれる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Server & Storage
進化する企業データセンター関連技術を活用するためのフォーラム - レノボへのOEM供給を発表、米ニュータニックスの進める「超ハイパーコンバージド」戦略
ハイパーコンバージドシステムの主要ベンダーである米ニュータニックスは2015年11月4日(米国時間)、レノボとの提携を発表した。ニュータニックスはレノボに対してソフトウエアをOEM供給し、レノボはこれを自社のハードウエアに搭載して世界的に販売する。これは、「選択肢があることの価値」提供を目指すニュータニックスの戦略の一環ともいえる。 - デルがEMCを買収で株式を非公開化へ、その背景と今後の展開は
米デルは2015年10月12日(米国時間)、同社の米EMC買収について最終的な合意に達したことを発表した。デルは従業員7万人の企業を飲み込むことになる。この、テクノロジー業界最大の買収の背景は何か。今後の展開における注目ポイントは何か。 - 第1回 Software Defined Storageとは何か
ストレージの世界における重要な動きについて、その文脈を解説する新連載、「『攻めのIT』時代のストレージの基礎知識」。その第1回として、「Software Defined Storageとは何か」をお送りする。 - 三井情報、次世代ITインフラ基盤にNutanixが採用
グループ企業を中心にITインフラサービスを提供する三井情報が次期ITインフラ運用基盤にハイパーコンバージドインフラを採用。柔軟で効率的なリソース提供と運用の効率化を図るという。 - ヴイエムウェアが「EVO SDDC」発表、あらためて「ハイパーコンバージドインフラ」とは
米ヴイエムウェアは2015年8月31日、VMworld 2015で、「EVO SDDC」を正式発表した。この製品はハイパーコンバージドインフラで先行する「Nutanix」や「EVO:RAIL」とはイメージの異なる部分がある。ヴイエムウェアが、EVO SDDCを「ハイパーコンバージドインフラ」製品として発表した意図は何か。