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WannaCryがホンダやマクドにも。中学3年生が作ったランサムウェアの正体も話題にセキュリティクラスタ まとめのまとめ 2017年6月版(2/3 ページ)

2017年6月のセキュリティクラスタでは、「WannaCry」の残り火にやられたホンダや亜種に感染したマクドナルドに注目が集まっていました。ランサムウェアを作成して配布した中学3年生や降伏した韓国のホスティング企業、そしてウクライナを中心として主にヨーロッパで猛威を振るった「Petya」亜種など、ランサムウェアの勢いがとどまるところを知りませんでした。

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中学3年生が作成したランサムウェアとは何だったのか

 ランサムウェアが世界的に流行している中で、6月5日には中学3年生がランサムウェアを作成してばらまいた容疑で逮捕されました。配布した際のツイートも残っており、作成したと思われるランサムウェアは指定のURLからダウンロードできるようです。

 この中学生、報道によるとたった3日間の独学でランサムウェアを作り上げたということでした。他に「野獣先輩ウイルス」というAndroid向けのウイルスを作成して配布していたことも明らかになり、中学生なのにすごい技術を持ったネット犯罪者が現れたとTLでも騒がれていました。

 ところが、配布されたランサムウェアをダウンロード、解析したユーザーが現れたことでTLでの反応が変わりました。実は中学生が作成したランサムウェアというのはたった25行のWindowsバッチファイル。決まった名前のフォルダ内のファイルだけを暗号化するというというものだったのです。実際に攻撃できるとは到底考えられないものでした。

 これが明らかになると、これではウイルス作成罪には問えないんじゃないかというツイートや、どうして逮捕されたのか疑問だというツイート、実際の容疑は違うのではないかという拍子抜けしたツイートが多くなり、TLがトーンダウンしていきました。

 同時期にフィッシングサイトを開設していた高校2年生も逮捕されています。このように未成年のネット犯罪の摘発が目立っているのはなぜでしょうか。警察が探しやすい子どもの犯罪しか相手にできず、実際に攻撃を行っている人物を逮捕できていないのではないかという指摘もありました。

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