オープンなIoT開発プラットフォーム「plusbenlly」、β版を無償公開:NECPCとキュレーションズが主導、企業同士のマッチング支援も
NECパーソナルコンピュータとキュレーションズは、IoT向けクラウドサービス「plusbenlly(プラスベンリー)」のβ版を公開した。併せて、「ビジネス創造の種」を提言する企業同士をマッチングさせるサービスなども展開する。
NECとレノボ・グループの合弁会社で個人向けPCブランドを展開するNECパーソナルコンピュータ(以下、NECPC)とキュレーションズは2017年7月21日、両社が共同企画するIoT(Internet of Things)ビジネス開発に向けたオープンプラットフォーム「plusbenlly(プラスベンリー)」のβ版を無償公開した。
plusbenllyは、ネットワーク接続機能を備えるIoT機器やWebサービスの相互接続を支援する「共創パートナー」として機能する企業向けクラウドサービス。機器間の接続設定やデータ交換のルールがあらかじめ用意され、利用企業がノンプログラミングで利用できるようにする他、スマートフォンアプリ開発のためのiOS/Android用SDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)を用意してサービス開発を支援する。
例えば「異なるメーカーのIoT家電やウェアラブルデバイス、SNSなどのWebサービスを組み合わせて新たなサービスを開発する」や「機器から収集したデータと他社のWebサービスからの情報を組み合わせて、異なるメーカーのテレビ、エアコン、照明を起床時間に合わせて一括でオンにするアプリを開発する」といったように、自社のデバイスやサービスの垣根を超え、新たなIoTビジネスの開発を支援するための“コネクター”の役割を果たす。また両社は「ビジネス創造の種」も提案していく目的で、企業同士をマッチングさせるサービスなども展開する。
plusbenllyは、大和リビングマネジメントの「賃貸住宅の快適な住環境を実現する IoT エネルギーマネジメントシステム構築に関する共同実証試験」や、積水ハウスの「経済産業省 平成28年度補正 IoTを活用した社会システム整備事業(スマートホームに関するデータ活用環境整備推進事業)」などのプロジェクトで採用が決定。この他、50を超える企業や団体が機器の接続や技術提供、システム利用・共創プロジェクトコーディネートのパートナーとしてplusbenllyへの参画を表明している。
plusbenllyは2017年内の正式版公開を予定。今回提供するβ版は、開発サービスの商用利用はできず、サービス作成数などにも制限はあるが、無償で利用可能。サーバ間で機器同士を連携するためのAPI(Application Programming Interface)も提供予定としている。
関連記事
- スモールスタートでIoTサービスを開発可能 ヤフーのIoTプラットフォーム「myThings Developers」で何ができるのか
ヤフーが、企業間のWebサービスや製品をつなげるIoTプラットフォーム「myThings Developers」の正式版を開始。企業や個人の開発者が開発したAPIをmyThings Developersで公開し、そのAPIを利用したユーザーから利用料を徴収する仕組みも用意した。 - インフォテリア、ノンプログラミング運用を可能とするIoTモバイルアプリ開発基盤「Platio」をリリース
インフォテリアは、IoT活用を推進するモバイルクラウド基盤「Platio」をリリース。サーバ側プログラムの開発、アプリの開発と配布、システム全体の運用まで、プログラミングの知識なしに展開できるPaaSとして提供する。 - IoTブームで注目されるハードとソフトの架け橋――制御・組み込みエンジニア(制御システム開発/ファームウェア開発/組み込みソフト開発技術者)
プログラマー、SE(システムエンジニア)、プロジェクトマネジャー――IT業界のさまざまな職業を紹介する本連載。第11回は「制御・組み込みエンジニア」を解説する。 - IoTビジネスのスモールスタート実現を支援、「KDDI IoT クラウド Creator」発表
KDDI アジャイル開発センターのスタッフが、顧客企業と共に「IoTビジネスのアイデア創出、開発、運用、改善」という一連のサイクルをサポート。IoTビジネスのスモールスタートとその後の改善・拡大を支援するという。 - ルネサス、IoT末端デバイスへAIを組み込める新技術「e-AI」を開発 2017年6月提供開始
ルネサス エレクトロニクスが、IoT末端デバイスへAI機能を組み込む技術「e-AI」を用い、ディープラーニングの結果を組み込み機器へ実装する新技術を開発。統合開発環境「e2 studio」対応プラグインを2017年6月にリリースする。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.