“プラネットスケールでの分散”で注目された「2つ」のデータベースの新顔:Database Watch(2017年上半期特別編 2)(1/2 ページ)
データベースというとIT業界では「枯れた」技術。しかし2017年はクラウドで「新顔」が続き、存在感を示しています。中でもGoogleのクラウドサービス Google Cloud Platformで提供される「Cloud Spanner」が2017年2月にリリース、Microsoft Azure上でも「Cosmos DB」がリリースされ、大きく注目されました。
プラネットスケール(地球規模)で分散できるデータベースの新顔
データベースというとIT業界では「枯れた」技術。しかし2017年はクラウドで展開される「新顔」が続き、いきなり存在感を示しています。
まず1つ目は、Googleの「Cloud Spanner」。Googleのクラウド基盤「Google Cloud Platform」で提供されるデータベースサービスとして、2017年2月に発表されました。
Googleのプリュース氏は2017年6月に開催した「Google Cloud Next Tokyo」で、「Cloud Spannerはリレーショナルデータベースサービス。整合性が高く、これまでのリレーショナルデータベースでは課題があった“水平スケーリング”を可能にすることが大きな特長」と日本でも大々的にアピールしました。
Cloud Spannerはもともと、Googleが自社のオンライン広告基盤「AdWords」を処理するために、つまり、自社の基幹業務の課題を解決するために独自開発したものです。
Google Cloud Platformのデータベースには、フルマネージド型のデータベースサービスである「Cloud SQL」が既にあります。Cloud SQLにはMySQL版とPostgreSQL版(β)が存在するということで、Amazon Web Service(AWS)の「Amazon RDS」に近いものといえるでしょう。
一方のCloud Spannerは何が違うのでしょうか。クラウドを前提として独自開発ということで、AWSならば「Amazon Aurora」に近いと連想するとよさそうです。あくまでイメージですよ。
料金はどうでしょう。Cloud SQLはインスタンスの時間課金に加えて、ストレージとネットワークの利用料金がかかります。一方のCloud Spannerは、インスタンス内のノード数に応じてストレージとネットワークの利用料金がかかる仕組みです。少し課金体系が違います。もし、MySQLやPostgreSQLなどのOSS(オープンソースソフトウェア)データベースで運用しているシステムをGoogle Cloud Platformに移行するならば、前者のCloud SQLを選ぶ方が賢明といえます。
では、Cloud Spannerはどのような要件に向いているサービスなのでしょう。……ここは、もう1つの新顔とともに確認してみましょう。
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