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オランダの企業が、サッカーのデータ化で選手の移籍に影響力を及ぼし始めているメッシとロナウド、どっちが上?(2/2 ページ)

サッカー選手に焦点を当てたアナリティクスを通じ、選手の移籍に影響力を与え始めている企業がある。また、同社はさらに試合をリアルタイムにデータ化するシステムを構築、サッカーに新たな世界をもたらそうとしている。

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ゲームをリアルタイムでデータ化する「BallJames」

 SciSportsが最近力を入れている、もう1つのプロジェクトは「BallJames」だ。これはトラッキングに基づくデータ生成および2D/3Dのゲーム再現を、完全自動でリアルタイムに行える統合システムだ。

 「究極的な先進性の獲得を考えたとき、データの生成方法を人間から、コンピュータビジョンとニューラルネットワークに変える必要があった」(ブロウワー氏)


あらゆるアングルから試合を3Dでリプレイできる

 ブロウワー氏によると、サッカーのような競技を対象としたデータ生成方法には、GPSあるいはLPM(Local Position Measurement)センサーを使う方法(Inmotio、Catapult Sports、JOHAN Sports、GPSports、STATsportsが採用)や、単一ビューの映像でトラッキングする方法(ChyronHego、SportVUが採用)がある。

 これらに対し、BallJamesではスタジアムに14台のカメラを設置。これらのカメラがボール、選手、審判の動きをそれぞれ「voxel」(3Dの「画素」、あるいは細かな立方体)の集合体として捕捉、これらの正確な位置と動きをリアルタイムにプロットできる。各選手の識別は、顔と背番号の認識で行っている。


ブロウワー氏が示した、3方式によるシステムの比較

 こうして得られたデータを基に、各プレイヤーについては、フィールド上の動きから、パスの精度・方向・速度、スプリントの強さ、ジャンプの強さ、ファーストタッチ後のボールとの距離などを示せる。ボールと全選手の位置関係の正確な推移をデータとして取得できているため、想像力の及ぶ限り多様な分析が可能になるという。

 各選手のパフォーマンスをトラッキングするだけでなく、チームとしての戦術分析にも使える。

 3Dのゲーム再現では、コンピュータグラフィックスによってあらゆるアングルから、試合をリプレイできる。また、仮想現実(VR)のための3Dデータとしても使えるという。実際、BallJames開発の端緒は、あるクラブの依頼によってOculus Riftを使ったVRアプリケーションを作ろうとしていた際に、選手とボールに関する3Dデータがないという事実に気付いたことにあったという。


画面上中央は、リアルタイムで選手とボールの動きをプロットしている

 本記事執筆時点で、BallJamesのカメラシステムは、オランダのサッカークラブHeracles Almeloのポルマンスタジアムに導入されている。また、また、プレミアリーグのあるチームのスタジアムへも導入が進められているという。

 ブロウワー氏は、BallJamesの他の用途として、例えばオフサイドの判定支援、リアルタイムでの選手とボールのプロット表示によるゲーミフィケーション、監督やチームの評価支援があるとしている。

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