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教えて! キラキラお兄さん「AIは転職エージェントの職を奪いますか?」プロエンジニアインタビュー(8)(3/3 ページ)

グーグルのインターンを経て、英エディンバラ大学大学院で機械学習を学び、ベンチャー支援の経験も積んだ島田寛基さんは、機械学習を駆使した人材マッチングサービスを提供する「scouty」の代表取締役だ。島田さんが自らの進路をどう作り上げ、どのような筋道で起業に至ったのかを聞いた。

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先進的な会社に限定してサービスをリリース

 scoutyのサービスの話を聞くうちに、疑問が湧いてきた。採用活動を完全に機械化することはできるのだろうか?

 島田さんの考えは、「人を探す部分は自動化するが、クロージング、エンパワーの部分はむしろ人事担当者の役割が増していく」というものだ。

 人探しの機械処理が進めば、採用の基準も変わっていく可能性がある。島田さんは、「将来は履歴書よりオープンデータが大事になる」と考えている。研究者の世界では論文発表が最も重要な評価尺度だが、エンジニアの世界でも公開された情報の蓄積が重要になりつつある。この傾向がさらに強くなるとみている。

 scoutyのサービスの考え方は、公開情報を集めて横断的に検索することだ。その対象となる公開情報の範囲を広げていくことも考えている。例えば論文、特許、メディアへの掲載などだ。他のデータを持っているサービスと提携することも考えている。

 さらに今後の展開として「自社の社員が引き抜かれないようにする」ためのソリューションも考えている。エンジニアのスコアが数値化されることから「この人にこのポジションは低過ぎる」といった客観的な指標による指摘もできるようになる。

 島田さんの取り組みが示しているのは、公開された情報を充実させるほど、転職でも有利な時代が来ているということだ。Webエンジニアを取材していると、世の中に向かって情報を発信していたことが転職に有利な形で結び付いた話をよく聞く。他の分野や業種でも、このような傾向が広がっていく可能性はあるだろう。

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