Windows 7の終焉間近。Windows 7から10へのデータ移行どうする?:Windows 10への移行(2/2 ページ)
Windows 7からWindows 10へ移行する場合、Windows 7に保存されているデータの移行が必要になる。簡単そうで、意外と面倒なその方法を解説する。
手動でデータのみを移行する
アプリケーションは、別途、Windows 10のPCに再インストールならびに設定を行うのであれば、必要なファイルやフォルダだけをUSBメモリなどを使ってコピーすればよい。
ただ、いちいちフォルダやファイルを選んで手動でコピーしていくのは少々面倒だ。そこで、Windows 7と10に既定でインストールされている「バックアップと復元」アプレットを使って、データを移行しよう。
[ファイルのバックアップまたは復元]でバックアップを作成
まず、Windows 7側でUSBメモリや外付けディスクなどを接続から、[コントロールパネル]−[バックアップと復元]を起動する。[ファイルのバックアップまたは復元]画面が表示されるので、「バックアップ」欄の[バックアップの設定]リンクをクリックする。
[バックアップの設定]ダイアログが表示されたら、バックアップ先のUSBメモリ/外付けディスクを指定して[次へ]ボタンをクリックする。ここではUSBメモリを使う前提で手順を紹介する。
なお、ここで[ネットワークに保存]ボタンをクリックし、ネットワーク共有ドライブを指定することで、サーバの共有ドライブなどに保存することも可能だ。ただし時間がかかる上、ネットワーク帯域を消費するので、一度に多くの台数を移行するような場合は避けた方がよい。
次に、バックアップするフォルダを指定し、[設定を保存してバックアップを実行]ボタンをクリックすると、USBメモリへのバックアップが開始される。USBメモリは、バックアップするデータ容量よりも十分大きなものを使うこと。USBメモリの容量が足りないと、途中で書き込みが行えなくなり、エラーでバックアップが終了してしまう。
また、暗号化ファイルシステム(EFS)を使用して暗号化されたファイルやシステムファイル、ごみ箱にあるファイル、一時ファイル、ユーザープロファイルの設定などはバックアップ対象にならないので注意したい。
バックアップしたフォルダは、[<マシン名>\Backup Set <日付時間>\Backup files 1.zipファイルにフォルダツリーごとアーカイブされる。ZIPファイルなので、手動でファイルを取り出すことも可能だ。
[ファイルのバックアップまたは復元]でバックアップする(1)
Windows 7で[コントロールパネル]−[バックアップと復元]を起動して、「バックアップ」欄の[バックアップの設定]をクリックする。[バックアップの設定]ダイアログが開き、バックアップするための準備が開始される。
[ファイルのバックアップまたは復元]でバックアップする(3)
[自動選択]を選ぶと、ライブラリやデスクトップ、Windowsフォルダ(ドキュメントやピクチャーなど)に保存されているデータファイルが対象となる。一方、その他のフォルダを対象にしたい場合や、これらのフォルダを除外したい場合は、[自分で選択する]を選ぶ。
[ファイルのバックアップまたは復元]でバックアップしたUSBメモリ
マシン名が付けられたバックアップファイルが作成される。バックアップファイルの中には、Backup Set <日付時間>\Backup files 1.zipファイルが保存されており、このZIPファイルにバックアップしたフォルダ/ファイルがアーカイブされている。
[ファイルのバックアップまたは復元]で復元
バックアップが完了したら、USBメモリを転送先のWindows 10のPCに差してから、[コントロールパネル]−[バックアップと復元]を起動する。
[ファイルのバックアップまたは復元]画面が表示されるので、「復元」欄にある[ファイルの復元元として別のバックアップを選択します]をクリックする。
[復元するファイルが含まれているバックアップの選択]画面が表示されるので、バックアップが保存されているUSBメモリが表示されていることを確認し、[次へ]をクリックする。
[復元するファイルやフォルダーをバックアップ内で参照または検索]画面で、[このバックアップからすべてのファイルを選択する]にチェックを付けて、[次へ]ボタンをクリックする。ここで、[ファイルの参照]ボタンまたは[フォルダーの参照]ボタンをクリックすることで、復元したいファイルやフォルダーを個別に指定することもできる。
[ファイルを復元する場所]画面では、「元の場所」にチェックを入れて、[復元]ボタンをクリックすると、Windows 7に保存されていたフォルダと同じフォルダに復元される。別のフォルダに保存したいような場合は、「次の場所」にチェックを入れて、保存先を指定すること。
これで、Windows 7から10へのデータ移行が行える。
[ファイルのバックアップまたは復元]で復元する(1)
Windows 10で[コントロールパネル]−[バックアップと復元]を起動して、「復元」欄の[ファイルの復元元として別のバックアップを選択します]をクリックする。
[ファイルのバックアップまたは復元]で復元する(2)
USBメモリに書き込まれたバックアップを選択する。Windows 7でネットワーク共有ディスクにバックアップした場合は、[ネットワークの場所の参照]ボタンをクリックして、バックアップ先のネットワークフォルダを選択する。
[ファイルのバックアップまたは復元]で復元する(3)
全てのファイルを復元する場合は、「このバックアップからすべてのファイルを選択する」にチェックを入れればよい。個別にファイル/フォルダを復元したい場合は、[ファイルの参照]/[フォルダの参照]ボタンをクリックして、ファイル/フォルダを選択して、復元したい場所を選ぶ。
[ファイルのバックアップまたは復元]で復元する(4)
バックアップしたWindows 7と同じフォルダツリーをWindows 10に復元する場合は、[元の場所]を選択する。別の場所に復元したい場合は、[次の場所]を選択し、復元したい場所を指定する。
本来であれば、ユーザープロファイルなどもWindows 7から10に移行させたいところだ。Microsoftが提供している無償ツール「ユーザー状態移行ツール(User State Migration Tool:USMT)」を使えば、ユーザープロファイルなどのWindows 7から10への移行が可能だが、このツールの使い方は簡単ではない。使い方を誤ると、Windows 10のシステムを壊してしまう危険性もあることから、十分に検証した上で利用した方がよいだろう(USMTを利用するのであれば、有償だがサードパーティー製のツールを利用した方が簡単で失敗が少ないだろう)。
また、大量のPCを一度に移行しなければならない場合は、大塚商会や東芝、デル、富士通などが提供している法人向けのWindows 10移行サービスを利用するという手もある。
Windows 7の延長サポート終了まで2年を切っており、Windows 10への移行に残された時間は少なくなっている。そろそろ、Windows 10への移行を始めてみてはいかがだろうか。
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