遠隔拠点の産業機器をリモート保守 海外拠点にも対応――IIJグローバルが遠隔メンテナンスのクラウドサービスを開始
IIJグローバルソリューションズが、遠隔から設備のリモートメンテナンスを可能にするクラウドサービス「Global Remote Maintenance Service(GRMS)」の提供を開始。地方や海外拠点の工場など、遠隔地にある設備のリモート保守と集中監視を実現し、コスト削減や運用負荷の軽減を図れるという。
法人向けWANサービス事業を展開するIIJグローバルソリューションズは2018年4月18日、遠隔地にある設備をリモートでメンテナンスし、業務効率や生産性を向上するクラウドサービス「Global Remote Maintenance Service(GRMS)」の提供を、同年5月1日から開始すると発表した。
GRMSは、デンマークに本社を置くSecomea(セコメア)が提供するサービスアダプターを活用したサービスで、産業設備などにこのサービスアダプターを接続するだけで、IIJのクラウドサービス「IIJ GIO」を経由したリモートアクセスによる遠隔での保守作業が可能になる。
地方や海外拠点の工場など、遠隔地にある設備を集中監視し、リモート保守を実現。専任技術者が不在になる現場でも遠隔から設備を保守できるので、本社から技術者が赴くといったオンサイト保守のコストを削減できるとともに、本社側で設備の運用状況などを一元管理できるため、業務の効率化を図れるという。
リモートアクセスは、TLS 1.2(AES 256bit)に準拠しており、第三者機関による安全性認証を取得するなど、強固なセキュリティを確保。現地にはVPN接続や専用線などは不要な上、ファイアウォールなどの既存ネットワークに変更を加える必要もなく、サービスアダプターを設置するだけでセキュアなリモート保守が可能になる。
サービスアダプターは、Wi-Fi、LAN、USBポート、RS-232C(シリアルポート)に対応。小型機械から大規模な生産ラインや工場設備まで、産業機器の各種物理ポートに接続できる。LAN、3G/4G、Wi-Fiネットワーク経由でインターネットに接続し、リモートアクセスを確立する。なお、3G/4G接続、Wi-Fi接続の対応国については個別問い合わせとなっている。
同サービスは36カ国以上に提供しており、海外拠点でも導入可能。24時間365日対応のバイリンガルヘルプデスクも用意する。利用価格は、初期料金が9万6000円(税別)から、月額料金が2万5000円(税別)から。
同社は今後、設備のリモート保守に加え、産業設備からのデータ収集、分析、活用が可能なサービスの実現も目指すとしている。
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