マーカーの装着不要、モルフォが映像から姿勢を推定する「Morpho Pose Estimator」の提供を開始:解像度の低い画像や白黒写真でも姿勢を検出
モルフォは、人体や動物などの姿勢を推定する技術「Morpho Pose Estimator」を開発した。撮影した人の映像から、頭部や手、腕、脚などの部位を検出し、それぞれの動きを基に姿勢を推定する。ディープラーニングを適用して姿勢推定の精度を高めた。
モルフォは2018年5月10日、人体や動物などの「姿勢推定」をする技術「Morpho Pose Estimator」の提供を開始すると発表した。同技術は、同社がTop Data Scienceと共同開発したもので、ディープラーニング技術が適用されている。
姿勢推定とは、例えば撮影した人の映像から、頭部や手、腕、脚などの部位を検出し、それぞれの動きを基に姿勢を推定するコンピュータビジョン分野でのセンシング技術の1つ。人や動物の行動認識や、各種トレーニング、エンターテインメント、ヘルスケアなどへの応用が期待されている。
Morpho Pose Estimatorでは、ディープラーニングを適用することで、高い精度で姿勢を推定できる。人体の姿勢を推定する場合は、鼻や眼、耳、首、肩、ひじ、手首、腰、ひざ、足首に設けた18箇所の特徴点の検出が可能だ。この際、従来のモーションキャプチャー技術とは異なり、姿勢推定対象にマーカーを装着する必要がない。1枚の画像に複数の人物が写っていても、各人物について18箇所の特徴点を検出。また一般のカメラで撮影した画像や、解像度が低い画像、白黒画像、複雑な背景が写っている画像でも特徴点を検出できる。
例えば、駅や街中、介護施設、医療施設などの監視映像に映った人物の姿勢状態を認識し、横たわっていたり、長時間うずくまっていたり、泥酔者のような千鳥足で歩いていたり、転倒したりといった異常姿勢の検出ができる。また車椅子の検知や、自動運転車での歩行者検出などにも利用できる。さらに、動きを可視化することでリハビリをサポートしたり、スポーツやダンスの動き方の指導や分析などに応用したりすることも可能だ。
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