年収4600万の求人も――ビズリーチの求人動向調査でIT技術者不足が明らかに:先端IT関連求人数が前年比2倍以上で提示年収も高騰
ビズリーチは、求人検索エンジン「スタンバイ」で実施したIT関連求人の動向調査の結果を公表した。先端ITに関する求人数は軒並み前年比2倍以上に増え、年収4600万円が提示された分野もあった。
ビズリーチは2018年5月31日、同社が運営する求人検索エンジン「スタンバイ」で実施したIT関連求人の動向調査の結果を公表した。
同調査では、2018年4月30日に同サイトに掲載されていた840万件の求人を対象に、タイトルまたは本文にIT関連の技術や概念、職種などのキーワードを含む求人で集計した。その結果、「ブロックチェーン」というキーワードを含む求人数は1099件で、対前年同月比4.2倍に増加していた。ブロックチェーン分野の求人が多い業種はIT企業や大手通信会社など、職種では仮想通貨関連や新規事業立ち上げだった。
また、「AI/人工知能/機械学習」「IoT(Internet of Things)/M2M(Machine to Machine)」「自動運転」「フィンテック/FinTech」「サイバーセキュリティ」のいずれも対前年同月比2倍以上に増えていた。その中でAI/人工知能/機械学習やIoT/M2M分野の求人は、業種と職種ともに多岐にわたった。例えばAI/人工知能/機械学習分野では、業種はIT企業やメーカー、広告業界、教育業界、職種はエンジニア、研究員、コンサルティング営業などが多かった。
以下が求人検索エンジン「スタンバイ」で実施したIT関連求人の動向調査の結果だ。
求人に含まれるキーワード | 前年比(求人数) | 求人件数 | 最高提示年収 |
---|---|---|---|
ブロックチェーン | 4.2倍 | 1099件 | 2200万円 |
AI/人工知能/機械学習 | 2.2倍 | 19959件 | 4000万円 |
IoT/M2M | 2.1倍 | 17660件 | 4600万円 |
自動運転 | 2倍 | 5806件 | 2100万円 |
フィンテック/FinTech | 2倍 | 3459件 | 4000万円 |
サイバーセキュリティ | 2倍 | 1481件 | 3000万円 |
ロボット工学/ロボティクス | 1.8倍 | 1372件 | 2500万円 |
AR/VR/拡張現実/仮想現実 | 1.6倍 | 5178件 | 2499万円 |
データサイエンティスト | 1.6倍 | 3136件 | 3900万円 |
データアナリスト | 1.5倍 | 1380件 | 2000万円 |
ビッグデータ | 1.4倍 | 8202件 | 3900万円 |
情報セキュリティ | 1.4倍 | 4838件 | 3900万円 |
画像技術/画像処理/コンピュータビジョン | 1.2倍 | 8495件 | 2000万円 |
「スタンバイ」掲載求人のうち、以下のキーワードを含む求人の前年比(求人数)、求人件数、最高提示年収(出典:ビズリーチ) |
一方、求人情報の中で提示された最高年収金額は、IoT/M2Mが4600万円、人工知能/機械学習とFinTechが4000万円、「データサイエンティスト」「ビッグデータ」「情報セキュリティ」が3900万円、サイバーセキュリティが3000万円だった。
ビズリーチでは、「日本では各業界で大型のIT関連投資が続き、情報セキュリティのニーズが増加すると同時に、ブロックチェーンや人工知能、IoT、ビッグデータなどの新技術の登場により、IT人材不足が深刻化している。今後ますますIT需要が拡大する一方、労働力人口の減少が見込まれており、IT人材の求人数増加と人材不足、給与の高騰は進む」と分析している。
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