なぜ、コンサルタントからプログラマーに転身したのですか?:教えて! キラキラお兄さん(1/4 ページ)
企業向けソフトウェア開発プラットフォーム「GitHub Enterprise」のSEである池田尚史さんは、時代の変化に対応するために自らのスキルセットを入れ替えながら、コンサルタントからエンジニアへ、WindowsからWebへ、オープンソースソフトウェア開発へと異色のキャリアを築いてきた。池田さんの話には時代の変化に対応して生き延びるヒントが詰まっている。
「会社の事業をデジタルの力で変革するデジタルトランスフォーメーションの動きが全世界で進んでいます。そしてデジタル化をするなら、GitHubを導入した方がいいです」――こう言い切るのは、「ギットハブ・ジャパン」の池田尚史さんだ。
池田さんの肩書は「セールスエンジニア」。仕事内容は一般的なSEの仕事内容に加え、世間でいうエバンジェリスト的な仕事も担う。イベントに登壇したり、ブログを書いたりすることもある。プリセールスで顧客先に出向き、GitHubで業務フローの改善を試みたい顧客を相手に説明をする。営業チームと一緒に動くことも多い。フィールド(顧客の現場)の声をエンジニアチームに橋渡ししたり、ドキュメントをレビューしたりすることもある。
GitHubはオープンソースソフトウェアの開発リポジトリとして名高いが、それだけでなくソフトウェアを開発する企業のための開発プラットフォームとしても確かな地位を築いている。そのGitHubが2015年6月に日本法人ギットハブ・ジャパン合同会社を設立、池田さんは初期に応募した1人だ。
池田さんは、オープンソフトソフトウェア「Play Framework」のコミッタとしてオープンソース開発に本格的に参加した経験があり、GitHubを含むチーム開発に役立つツールやプラクティスに言及した書籍『チーム開発実践入門』(技術評論社)を執筆した経験もある。だからこそ、GitHubの伝道者役として自分は適任のはずという意識を持っていた。
そんな池田さんが今の立場にたどり着くまでには、エンジニアとしての、とても長い回り道があった。
就職氷河期に第二新卒でIT業界を目指す
「大学を卒業したころは、就職氷河期だったんです」
早稲田大学第一文学部哲学科(※)で学生時代を過ごした池田さん。学生自ら「就職先を探すのが難しい」と自嘲気味に話す雰囲気がある学科だ。
学生時代は、サークル活動の一環としてDTP(デスクトップパブリッシング)を手掛けていた。その関係で「拾ってくれた」製版関係の会社が、最初の就職先だった。働くうちに、「職場とは長い時間を費やす場所、人生に大きな影響を与える場所」と考えるようになった。新たなキャリア形成を考え、第二新卒としてIT業界を目指すことにした。
当時、コンサルティング業界は採用を活発に行っていた。学生時代からITには親しんでいたこともあり、著名な会計系コンサルティングファームに転職を決め、ITコンサルタント、経営コンサルタントとしてキャリアを開始した。
「SIのヒエラルキーでいうと『上流』の仕事です」と池田さん。Excelで仕様書を作り、スクリーンショットを撮ってエビデンスを作るといった仕事を、「現場で一緒に働いている年上のエンジニアたちに怒られながら」働いた。
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