ワークエンゲイジメントが働きがいを後押し――NTTデータ経営研究所、働き方改革に関する調査結果を発表(4/5 ページ)
NTTデータ経営研究所の調査によると、働き方改革に取り組む企業は大企業を中心に増加しており、38.9%となった。働き方改革に取り組んでいる企業の従業員は、エンゲイジメントされている環境で働きがいを高めていることが分かった。
働き方改革のIT活用、HRテックは消極的
テクノロジーの活用状況としては、働き方改革に取り組んでいる企業の従業員の半数以上がコミュニケーションツールやプレゼンス管理ツール、タブレット端末(iPadなど)を導入していると回答した。
具体的には、「電話会議やWeb会議等の電話以外の音声・映像」(31.5%)や「ビジネスチャット、LINE、Slack等の電子メール以外のテキスト(文書)によるコミュニケーションツール」(30.6%)を活用。「電話会議やWeb会議等」は、「時々活用している」と「導入しているが活用されていない」を合わせると69.4%に達した。同様に「ビジネスチャット、LINE、Slack等」は58.2%、「プレゼンス管理ツール」は54.7%、「タブレット端末(iPad等)」は50.2%が導入していると回答した。
「RPAの活用による業務の自動化」や「社員の健康管理・生産性把握のためのウェアラブルデバイスの導入」については、「時々活用している」と「導入しているが活用されていない」を含めた導入企業は約30%に達していたものの、「活用している」と回答した従業員は10%未満だった。
また、働き方改革に取り組み、プラスの効果として「生産性向上」を挙げている企業の従業員の72.2%が、「電話会議やWeb会議等の電話以外の音声・映像」や「ビジネスチャット、LINE、Slack等の電子メール以外のテキスト(文書)によるコミュニケーションツール」を「活用している」または「時々活用している」と回答している。
「プレゼンス管理ツール」も「活用している」「時々活用している」を合わせて64.6%、「RPAの活用による業務の自動化」や「ウェアラブルデバイス等(スマートウォッチ等)」もそれぞれ40%以上が活用していると回答。
生産性向上が求められている企業にとっては、テクノロジーの活用は避けられない結果となった。
HRテックの導入に対する意識調査としては、人事業務に関する業務のうち、「AIによる推奨研修の案内」や「性格診断結果に基づくAIによる相性による配置」は、「特に抵抗はなく、活用すべき」と「どちらかといえば抵抗はなく、活用すべき」を合わせて、25%以上となっている。(26.8%、25.4%)
一方で、採用選考で応募書類の判定や採用面接の評価について、AIによる評価をその材料にすることについては、「特に抵抗はなく、活用すべき」と「どちらかといえば抵抗はなく、活用すべき」を合わせて、20%を下回った(19.0%、16.4%)
人事業務に関する業務のうち、「AIによる推奨研修の案内」について年齢別にみると、30歳代は33.6%が「抵抗はなく、活用すべき」または「どちらかといえば抵抗はなく、活用すべき」と回答しているが、40〜59歳では20%以下となっている。
採用選考における採用面接の評価を同様に年齢別にみると、AIによる評価をその材料にすることについては、29歳以下は「抵抗はなく、活用すべき」と「どちらかといえば抵抗はなく、活用すべき」が23.9%であるものの、30歳代は20.9%にとどまった。
HRテックの活用は、業務別、年齢別にみても、「どちらともいえない」という回答が35%程度、「分からない」が20%程度を占めることから、具体的なイメージや効果の理解が進んでいないと分析している。
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