ワークエンゲイジメントが働きがいを後押し――NTTデータ経営研究所、働き方改革に関する調査結果を発表(5/5 ページ)
NTTデータ経営研究所の調査によると、働き方改革に取り組む企業は大企業を中心に増加しており、38.9%となった。働き方改革に取り組んでいる企業の従業員は、エンゲイジメントされている環境で働きがいを高めていることが分かった。
成果に基づいた働き方は定義とサポートが鍵
労働時間と成果に基づいた働き方に関する調査として、給与に関わる質問では、平均的な1カ月の勤務時間(残業時間含む)が120時間以上140時間未満の人の28.6%は、「給与を増やしたいので、残業時間を増やしたい」と回答。一方で、労働時間160時間以上の40%以上の人は、「給与が減ってしまうのは困るが、労働時間は減らしたい」と回答している。
成果に基づいた働き方への意識については、管理職や裁量労働制の適用などにより、労働時間の長短によらず、成果に基づいて報酬が支払われる働き方で働いている人は、「働き続けたい」と「どちらかといえば働き続けたい」を合わせて78.1%が、成果主義で働き続けたいと回答している。
成果主義で働いていない人も、「成果主義で働いてみたい」「どちらかといえば働きたい」を合わせると30.4%となった。
一方で、現在成果主義で働いておらず、これからも成果主義で働きたくないと回答した人は、その理由として、65.4%が「過重労働になることが多くなり、報酬が割に合わなくなると思う」と回答。過重労働や報酬に対する不満足、ストレスの増加を懸念していることが分かった。
NTTデータ経営研究所では、人事制度改定の際にはパフォーマンスの発揮が検討されると考えられることから、同調査の結果を受け、「給与が減ってしまうのは困るが、労働時間は減らしたい」従業員のためにも、成果をきちんと定義し、サポート体制を作りながら、成果に基づいた働き方の検討を行う価値はあるとしている。
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