Oracle、「Oracle Autonomous Transaction Processing」を提供開始:自律型クラウドサービスのポートフォリオを拡充
Oracleは、自律型データベースクラウドサービス「Oracle Autonomous Transaction Processing」の提供を開始した。
Oracleは2018年8月7日(米国時間)、自律型データベースクラウドサービス「Oracle Autonomous Transaction Processing」の提供開始を発表した。
Oracle Autonomous Transaction Processingは、機械学習および自動化機能を活用し、コスト削減、セキュリティの強化、可用性、生産性の向上を実現する。また高パフォーマンスのトランザクション処理、レポート、バッチ処理、データ分析、IoT(Internet of Things)、機械学習などの混合ワークロードに加え、要件の厳しい金融、小売り、製造、政府機関などのアプリケーション実行にも単一データベースで対応する設計となっている。さらに、シンプルなアプリケーションの開発および展開、実行中のトランザクションデータ上でのリアルタイム分析、パーソナライズ、不正検出を可能にするという。
Oracleは、Oracle Autonomous Transaction Processingの主なメリットとして、以下の3つを挙げている。
- コスト削減:データベースおよびインフラ運用の自動化により、管理コストを最大80%削減するという。自己最適化されたデータベースの効率性と柔軟な従量制課金により、ランタイムコストを最大90%削減するとしている
- リスク軽減:ダウンタイムなしでの最新セキュリティ更新の自動適用により、サイバー攻撃に対する脆弱(ぜいじゃく)性を排除する。システム障害、地域的な停電、ユーザーエラーなど、あらゆるタイプの障害から保護することで、99.995%の可用性を実現し、計画メンテナンスを含めたダウンタイムを1カ月当たり2.5分未満に抑えるという。管理者によるユーザーデータのスヌーピング(のぞき見)は、「Database Vault」によって防止する
- イノベーションの加速:データベースのメンテナンス作業を軽減することで、データベース管理者(DBA)はデータからより多くの価値を抽出することに集中できる。手動チューニングを必要としないデータベースを瞬時に作成し、利用できるため、開発者のアジリティーが向上する。機械学習アルゴリズムを利用することで、パーソナライズされた買い物や不正検出などのリアルタイム予測を実行できるアプリケーションを開発可能だ。既存のデータベースを自律型クラウドにアップグレードできるため、IT部門はクラウドを活用したアジャイル開発への転換を図れるとしている
Oracle Autonomous Transaction Processingは、現在提供中の自律型クラウドサービスである「Oracle Autonomous Data Warehouse」を補完する。Oracleの自律型データベースクラウドサービスのポートフォリオを構成するOracle Autonomous Transaction ProcessingとOracle Autonomous Data Warehouseは、自己稼働型の「Oracle Autonomous Database Cloud」テクノロジーを基盤に構築されている。
Oracleはプレスリリースで、調査会社IDCでデータ管理ソフトウェア担当のリサーチバイスプレジデントを務めるカール・オロフソン氏のコメントを紹介している。
「DBAの最も大変な作業は、ミッションクリティカルなトランザクションのデータベースにおけるチューニングとメンテナンスだ。DBAは、統計情報の検討やチューニング調整の適用以外にも、セキュリティパッチなど、パッチの適用を頻繁に行わなければならない。これらの作業にはエラーが生じがちであり、業務を混乱させることもある。Oracleは、これらのタスクをOracle Autonomous Transaction Processingによって解消した。DBAは、ビジネスニーズに対応したアプリケーション開発など、より価値の高い業務に集中できるようになり、企業は既知の脆弱性によるデータ侵害の心配から解消される」(オロフソン氏)
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