薬剤師が“オンライン対面”で服薬指導――ブイキューブ、日本調剤の薬剤遠隔指導にWeb会議システムを提供
ブイキューブは、日本調剤が福岡市の国家戦略特別区域(特区)で実施する遠隔服薬指導の取り組みにクラウド型Web会議システム「V-CUBE ミーティング」を提供。薬剤師が患者とオンラインで“対面”しながら、医師の電子処方箋を基にした服薬指導を行う。
ブイキューブは2018年8月16日、日本調剤が福岡市の国家戦略特別区域(特区)で開始する薬剤の遠隔服薬指導の取り組みに、Web会議システム「V-CUBE ミーティング」を提供すると発表した。
遠隔服薬指導は、国家戦略特区での医療分野における規制改革施策の一つとして実施されるもの。遠隔診療で医師から交付される特定処方箋(電子処方箋)を基に、特区内の薬局の薬剤師がテレビ電話などを通じて患者に服薬指導を行う。
福岡市は、2018年6月14日の国家戦略特別区域諮問会議で、愛知県、兵庫県養父市と並んで遠隔服薬指導事業の実証地域として承認されている。今回、福岡市内の日本調剤の薬局4店舗が「福岡市国家戦略特別区域法を活用した遠隔服薬指導事業」の事業登録者として認可され、一定の要件を満たした患者に対して遠隔服薬指導を実施することになった。
日本調剤では今後、患者から同特例活用の希望があり次第、特定処方箋を交付する医師または歯科医師との連絡体制などを確認し、遠隔服薬指導を実施する。
また、遠隔服薬指導実施後は、定期的に患者の状況を確認し、必要に応じてトレーシングレポートなどによって医療機関に情報を共有しながら、より良い医療の提供につなげることを目指す。
ブイキューブのV-CUBE ミーティングは、遠隔服薬指導のコミュニケーションインフラとして活用する。
V-CUBE ミーティングは、PC、スマートフォン、タブレットなどマルチデバイスに対応し、最大5拠点まで同時接続が可能なクラウド型Web会議サービス。将来的には、遠隔服薬指導だけでなく、多職種連携による遠隔診療への活用も視野に入れている。
ブイキューブでは、安定した通信環境が必要とされる薬剤遠隔指導に、高画質、高音質、安定した接続性を特徴とするV-CUBE ミーティングを提供することで、新しい医療の在り方を支援するとしており、2018年6月には、愛知県の国家戦略特区特定区域でアインホールディングスが開始した同様の取り組みにもV-CUBE ミーティングを提供している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 創業70年目の挑戦 農用機器メーカー「ネポン」がクラウドサービスを進化させる理由
タブレットで農業ハウスを遠隔管理できるサービス「アグリネット」を提供するネポンは、もともとITベンダーではなく、創業70年の農用機器メーカーだ。社内からの批判もあったという同社が、クラウドサービスにまい進する理由とは。 - 「ダウンしない火力発電所」をクラウドで実現 AWS導入で東京電力が超えた「壁」とは
火力発電や燃料事業を手掛ける東京電力フュエル&パワーは、AWSを使って国内外の発電所の稼働状態をリアルタイムで監視する「遠隔監視システム」を立ち上げ、データ分析を使った故障予測や性能管理を実現している。 - 医療IoTシステムの国内市場は2025年に2倍に成長、AI関連は4倍に――富士経済調べ
富士経済によると、2025年の医療分野におけるIoT関連機器・システムの国内市場は2016年の約2倍に成長し、AI関連市場は4倍になるという。 - 米国の遠隔医療事情から考える「使いたくなる遠隔医療システム」とは?
遠隔医療システムは米国の医療機関で採用が進んでいるが、開業医、病院、保険業者はそれぞれ異なるメリットと潜在的懸念を認識している。こうした状況においてベンダーは「使いたくなるシステム」をどう考えたらよいだろうか。