小型軽量で非接触型の手のひら静脈認証入退室装置「PalmSecure AuthGate」 富士通から
富士通と富士通ネットワークソリューションズは、小型軽量で非接触型の手のひら静脈認証入退室装置「PalmSecure AuthGate」を発売。高防塵・防水性能で利用シーンが広く、セキュリティと利便性を兼ね備えた入退室環境を実現できる。
富士通と富士通ネットワークソリューションズは2018年11月8日、小型軽量で非接触型の手のひら静脈認証入退室装置「FUJITSU生体認証 PalmSecure AuthGate」の販売を開始した。オフィスビルやホテル、店舗、レジャー施設など、さまざまな施設の入退室に手のひら静脈認証を容易に適用できるという。
PalmSecure AuthGateは、富士通フロンテックの手のひら静脈認証入退室装置「PalmSecure Connect for Gate」に、富士通ネットワークソリューションズが開発した基本ソフトウェアを実装したもの。富士通ネットワークソリューションズの入退室管理システム「Stronguard」の認証デバイスとして利用できる。
同製品では、認証性能を向上させ、テンキーでのID番号入力やICカード併用での二要素による認証操作を必要とせず、静脈データだけで判定できる「1:N認証」方式を採用。認証性能は、認証スピード2秒以内(2000人登録時)、本人拒否率0.01%以下(リトライ1回含む)、他人受入率0.00001%以下を実現しており、堅牢(けんろう)な認証環境を構築できるとしている。
センサー性能も向上を図り、照度対応は最大照度8万ルクスに対応し、防塵(じん)・防水性能はIP55規格に相当。準屋外環境に対応したことで利用シーンが広がり、例えばビルのエントランスや屋外の軒下などにある通用口への設置も可能になった。
さらに、一体型ボードとセンサーの小型化で、従来装置比32%まで小型軽量化し、壁面などの取り付け面にも設置が容易になった。認証センサーに全く触れることなく操作可能なため、利用者の抵抗感が少なく、衛生面にも配慮した認証デバイスとなっている。
加えて、手のひら静脈データを統合的に運用管理できる「FUJITSU Security Solution 本人認証基盤AuthConductor Server」と連携することで、PCでのログインや複合機の認証印刷といったさまざま利用シーンで手のひら静脈認証を活用できるようになる他、手のひら静脈認証ソリューションとの静脈データの共有も可能になる。
PalmSecure AuthGateの販売価格(税別)は、42万円から。基本ソフトウェアは含まれるが、SI、工事、保守に関わる費用は別途必要。また、管理ソフトウェア「Stronguard」(標準価格:50扉対応で30万円)が別途必要となる。
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