Intel、AI開発者向けの小型デバイス「Intel Neural Compute Stick 2」を発表:手ごろなコストでDNN推論アプリケーションの開発を支援
Intelは、スマートAIアルゴリズムの作成や、ネットワークエッジでのコンピュータビジョンのプロトタイピングに対応できるUSBスティック型のハードウェア「Intel Neural Compute Stick 2」(Intel NCS 2)を発表した。
Intelは2018年11月14日(現地時間)、中国の北京で同日開幕したAI開発者向けカンファレンス「Intel AI DevCon(Intel AIDC)2018」で、AI開発者向けのUSBスティック型ハードウェア「Intel Neural Compute Stick 2」(Intel NCS 2)を発表した。
IoTやエッジデバイスプロトタイプにおいてコンピュータビジョンやAIを簡単に実現できるという。Intel NCS 2は、スマートカメラやドローン、産業ロボット、スマートホームデバイスに取り組む開発者がプロトタイピングを手早く実現する手助けとなる。
Intel NCS 2は、スマートAIアルゴリズムの作成や、ネットワークエッジでのコンピュータビジョンのプロトタイピングに対応できるように設計されている。搭載する最新世代のIntel VPU「Intel Movidius Myriad X Vision Processing Unit」は、新たにニューラルコンピュートエンジンを備えている。専用のハードウェアニューラルネットワーク推論アクセラレーターであり、高い性能を発揮できるという。
Intel NCS 2を利用すると、手ごろなコストでディープニューラルネットワーク(DNN)推論アプリケーションの開発が可能になり、前世代の「Neural Compute Stick(NSC)」を上回る性能を提供するという。DNNテストやチューニング、プロトタイピングが可能だ。
さらに、さまざまなネットワークに対応する「Intel Distribution of the OpenVINO」ソフトウェアツールキットと組み合わせることで、プロトタイピング時の柔軟性が高まる。開発者は「Intel AI: In Production」エコシステムを利用することで、Intel NCS 2で開発したプロトタイプを他のフォームファクターで製品化できる。
ノートPCと組み合わせてすぐに使える
開発者はノートPCとIntel NCS 2を使って、AIやコンピュータビジョンアプリケーションを数分で起動できる。Intel NCS 2のインタフェースはUSB 3.0であり、接続時に追加のハードウェアが不要だ。このため、ユーザーはPCでトレーニングしたモデルを、幅広いデバイス用にそのまま展開できる。インターネットやクラウド接続は不要だ。
Intelは第1世代のIntel NCSを2017年7月にリリースし、数万人の開発者が参加するコミュニティーが生まれた。Intelはより高パフォーマンスのIntel NCS 2を投入することで、AIコミュニティーが進める野心的なアプリケーションの構築を後押しするという。
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