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Azure VM内のSQL Serverのバックアップを管理不要にする「自動保護」機能(プレビュー)Microsoft Azure最新機能フォローアップ(70)

2018年6月からパブリックプレビュー提供が開始されている、Azure仮想マシン(Azure VM)内で実行されるSQL Serverのバックアップ機能に「自動保護」機能が追加されました。

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Azure VM内のSQL Serverの自動保護機能とは?

 「Azure Backup」では2018年6月から、Azure仮想マシン(Azure VM)内で実行されるSQL Serverのスケジュールバックアップ機能がパブリックプレビューとして利用可能になりました。2018年12月、このバックアップ機能の新しいプレビュー機能として「自動保護(AUTOPROTECT)」機能が追加されました。

 これまでパブリックプレビューとして提供されていたAzure VM内のSQL Serverのバックアップ機能は、バックアップ対象のインスタンスまたはAlways On可用性グループを選択し、バックアップするデータベースを指定する必要がありました。

 新しいプレビュー機能では、自動保護機能を有効にすると、自動的にデータベースを検出して保護対象として追加し、「バックアップポリシー」(プレビュー時点では編集不可)に従ってアプリケーションレベルでオンラインバックアップを実行できるようになります。また、将来、追加されるデータベースも自動的に保護対象になります。

 パブリックプレビューの現在、利用可能なリージョン(西日本、東日本では利用可能)や機能、保護対象(SQL Server on Linuxには未対応)に幾つか制限はありますが、一般提供開始時の50%オフの料金で利用できるので、興味のある方は評価してみてはいかがでしょうか。

 筆者が確認した限り、この機能は「Recovery Servicesコンテナー」のAzure Backupから利用する本来の方法と、Azure VMの「SQL Serverの構成」から利用を開始する、ストレージアカウントを使用した簡易版の2つの方法があるようです。

Recovery Servicesコンテナーによる詳細なバックアップと復元

 Azure Backupは、Azure Site Recoveryと共通のRecovery Servicesコンテナーを使用して、複数の対象を一元的に保護することができます。Azure上で実行されているワークロードとして、「仮想マシン」と「Azure VM内のSQL Server(プレビュー)」のいずれかを保護することが可能です。

 これまで「Azure VM内のSQL Server(プレビュー)」を選択した場合、SQL ServerインスタンスまたはAlways On可用性グループのデータベースを個別にバックアップ対象として選択する必要がありましたが、新たに「AUTOPROTECT:ON」という指定が可能になりました。このように構成することで、自動保護が有効化され、バックアップ対象のデータベースを、将来追加されるものを含めて自動検出するようになります(画面1)。

画面1
画面1 「Azure VM内のSQL Server(プレビュー)」のバックアップする項目としてSQL ServerインスタンスまたはAlways On可用性グループで自動保護を有効化する

 なお、Azure VM内のSQL Serverのバックアップはエージェントレス、バックアップストレージの管理不要で利用できますが、Azure MarketplaceのSQL Serverイメージから作成していないカスタム環境の場合は、SQL Serverデータベースに対するアクセス許可の追加構成が必要です。Azure MarketplaceのSQL Serverイメージから作成したAzure VMの場合は、追加の構成は必要ありません。

ストレージアカウントによる簡易版の自動保護

 Azure MarketplaceのSQL ServerイメージからAzure VMを作成する場合は、「SQL Serverの設定」にある「SQL自動バックアップ」を有効化することで、ストレージアカウントを使用した簡易版の自動保護が利用可能になります。

 バックアップの暗号化とシステムデータベースのバックアップはオプションです。既にデプロイ済みのAzure VMの場合は、Azure VMの「SQL Serverの構成」にある「自動バックアップ」を編集して、自動保護を有効化できます(画面2)。

画面2
画面2 Azure VMごとに簡単に有効化できる、ストレージアカウントを使用した簡易版の自動保護

 なお、Recovery Servicesコンテナーを使用したバックアップの場合、バックアップ項目の参照やデータベースのリストア操作は、AzureポータルのRecovery ServicesコンテナーのUI(ユーザーインタフェース)を使用して行うことが可能です。

 一方、ストレージアカウントを使用した簡易版の自動保護の場合、バックアップされているかどうかの確認やリストア操作は、Azure VM内の「SQL Server Management Studio」を使用して行うことが可能です(画面3)。

画面3
画面3 簡易版の自動保護機能は、ストレージアカウントのURLに対して自動バックアップを行い、リストアもそのURLからAzure VM側で行うことになる

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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