【Google Chrome】拡張機能「Password Checkup」でパスワード漏えいに備える:Google Chrome完全ガイド
ネットサービスを使っていて怖いことの一つは、パスワードが第三者に漏えいすること。悪用される前に素早く対処するのに役立ちそうな拡張機能「Password Checkup」の使い方と注意点を説明します。
■記事内目次
アカウント名/パスワードが漏えいしても気付けない!?
ネットサービスからログイン用のアカウント名とパスワードが漏えいした、というニュースを目にしたことはありませんか?
- 「宅ふぁいる便」不正アクセスで480万件のユーザー情報流出 メアド・パスワードも(ITmedia NEWS)
- 7億7300万件の流出情報、闇フォーラムで流通 平文パスワードも出回る(ITmediaエンタープライズ)
もし自分のアカウント名/パスワードの漏えいが明らかになった場合は、言うまでもなくパスワード変更などの対処を速やかに実施する必要があります。しかし、そもそも漏えいに気付くまでは、対処のしようがありません(予防措置は別として)。
そしてユーザーが漏えいの事実を素早く把握するのは簡単ではありません。例えば上記のようなセキュリティ系ニュースをタイムリーにチェックできるとは限りません。またネットサービス運営元が漏えいについて電子メールやSNSで告知することはよくありますが、これも広告やプロモーションに紛れてしまって気付けない可能性はあるでしょう。
本稿で紹介するGoogle Chrome(以下、Chromeと略)の拡張機能「Password Checkup」は、パスワード漏えいを素早くチェックするのに役立ちそうなツールです。本稿ではWindows OS/macOS版Chromeを対象として、その使い方や注意点について説明します。
Password Checkupとは?
「Password Checkup」はGoogleが開発・提供している拡張機能の一つで、ユーザーがChrome上でネットサービスにログイン/サインインするのに利用したアカウント名/パスワードの漏えいを検知・警告してくれます。
Googleは、漏えいなどによって危険だと分かっているアカウント名/パスワードの組み合わせを40億個以上、把握しているとのことです。Password Checkupはそうした危険なアカウント名/パスワードのリストと、ユーザーがログイン/サインイン時に入力したアカウント名/パスワードとを照合し、危険かどうか判定しています。
- Protect your accounts from data breaches with Password Checkup[英語](Google Security Blog)
こうした仕組みにより、Password CheckupはGoogleとは関係のない(Googleアカウント以外の)ネットサービスのアカウント名/パスワードでも、漏えいがないかチェックできます。
こうしたパスワードチェック機能で気になるのは、ユーザーが入力したアカウント名/パスワードがPassword Checkupの提供元であるGoogleに「漏えい」してしまうのでは、という点でしょう。Googleによれば、そんなことがないようにプライバシー保護の技術を用いてPassword Checkupを設計したとのことです(強力なハッシュ化と暗号化を施してからGoogleのサーバに送信する、といった実装をしているそうです)。
Password Checkupをインストールする
Password Checkupを利用するには、以下のChromeウェブストアの配布ページをChromeで開き、[Chromeに追加]ボタンをクリックします(一般的な拡張機能のインストール手順と変わりません)。
- 拡張機能「Password Checkup」の配布ページ(Chromeウェブストア)
インストールが完了すると、Chromeのウィンドウ右上にある拡張機能のツールバーにPassword Checkupのアイコン(緑色ベースの盾マーク)が追加されます。
Password Checkupの使い方
Password Checkupの使い方は単純で、その拡張機能を有効にしたまま放置しておきます。Password CheckupはGoogleのサーバと通信しながら、ネットサービスのログイン/サインイン時に入力されたアカウント名/パスワードが過去に漏えいしたものと一致するかどうか、バックグラウンドで自動的にチェックします。
Password Checkupによるパスワード漏えいの検出状況の表示
ツールバーにあるPassword Checkupのアイコンをクリックしたとき、漏えい(データ侵害)が検知されていなければ、このようなダイアログが表示されます。
もし一致したら、すなわち漏えいが確認されたら、Password Checkupはユーザーに赤色の警告ダイアログを表示します。それを受けたユーザーは、例えば以下のような対処を自身で実施する必要があります。
- 対象のアカウント名/パスワードを使っている全サイト/サービスでパスワードを変更
- (必要なら)登録していたクレジットカードの発行会社への利用停止依頼
- (必要なら)その他、情報漏えい(データ侵害)の影響を受ける組織や人への連絡
Password Checkupではできないこと
Password Checkupはあくまでも危険性の検出とユーザーへの通知を目的とした拡張機能です。上記の通り、Password Checkupがパスワード変更などその後の対処まではしないことを覚えておきましょう。
また原理的にChrome以外のブラウザあるいはアプリからのログインについては、チェックができません。一回もChromeでログインしたことがないアカウント名/パスワードについても同様です。さらに、Googleが保持しているアカウント名/パスワードの漏えいリストに載っていないものについては、たとえ漏えいしていても検出できないでしょう。
他のツールと同様に、Password Checkupが全ての漏えいを検出してくれるわけではありません。頼り過ぎ・過信は禁物です。それでも、漏えい後の対処をなるべく早く始めるのに役立ちそうなツールといえるでしょう。
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