求人サイト、カバーレター、コーディング面接――「行動駆動キャリア開発」エンジニアの北米企業就業譚:動かなくちゃ分からないことがあるんだ!(1/4 ページ)
カナダのIT企業で働いて分かったこと。それは、意外な事実と自分の価値観だった――。
「海外で活躍したい」と希望する人は、IT業界に限らず常に存在する。しかし、そのために何らかのアクションを起こした人は、どのぐらいいるだろうか。
語学力が足りない、コネも人脈もない、渡航費用を捻出できない――アクションを起こさない理由はいくらでも考えられる。だが、行動しない限りは何も変わらないし、行動することによってしか分からないこともある。
今回お話を伺った「Gunosy」の榎本敏丸さんは、同社入社前に「シリコンバレーのIT企業で働くこと」を目指して海外で就業した経歴を持つ、北米帰りのエンジニアだ。
文系男子をIT業界志望にさせた1冊の本
榎本さんは、北海道で生まれ育った。
英語教師をしていた父親の仕事の関係で留学生のホストファミリーをした経験をきっかけに「海外」に興味を持ち、東京の大学に進学して国際政治経済学を専攻した。
「異文化コミュニケーションが面白そうだと思い、当時新設されたばかりの国際コミュニケーション学科を選びました。英語を話せるようになりたいと思っていました。また、できるだけいろいろな人と話せるようになりたいと考え、第二外国語は中国語を選択しました」
PCはレポート作成や調べ物などで使っていたが、それ以上にのめり込むことはなかった。
「『プログラミング講習』の授業は受けてみましたが、Excel VBAでワークシートの操作を自動化するといった程度で、本格的なプログラミングに足を踏み入れたわけではありませんでした」
それでも榎本さんは、就職活動時にIT業界を視野に入れた。その理由は、1冊の本と出合ったからだという。
「『ウェブ進化論』(梅田望夫著、筑摩書房刊)と出会ったのがきっかけです。『Webの進化により、世の中に一大変化が起きそうだ』と感じてITに興味を持ちました」
同時に「ベンチャー企業は、若手でも大きな裁量を持って働けそうだ」と魅力を感じ、就活生に向けたベンチャー企業紹介セミナーにも足を運んだ。
「ベンチャー企業の情報が豊富なWebサイトをチェックしていました。運営会社が開催しているグループディスカッション講座などに毎週のように通い、就職先を決めました」
榎本さんのこうした「行動」する姿勢は、就活に限った話ではない。この後も人生の節目節目で彼は、「行動」をベースに次の一歩を切り開いている。
行動を貴ぶ榎本さんは、就活でもSIerやネットベンチャー、自社のビジネスにITを積極的に取り入れて活用している不動産企業など、さまざまな業種の説明会に足を運んだ。
最終的に彼が選んだのは、ITベンチャーだった。
「学生時代からWebテクノロジーに興味がありましたが、プログラミングを学んでいたわけではないので、オファーをいただいた企業の中で、エンジニアを養成する研修体制が整っている企業がそのときの自分には良いと思いました」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Yuta 何しにベトナムへ?〜エンジニア海外奮闘記:元MSエバンジェリストが問う「グローバル」とは「海外で働く」とは
単身ベトナムに移住し、法人立ち上げ、現地エンジニア採用などに携わっているエンジニアの姿を通じて「グローバル」な働き方のノウハウや心構えなどをリポートする本連載。初回は「そもそもグローバルとは何か」「グローバルに打って出るための第0歩」を読者と共に考えます - エンジニアよ、部品になるな――Go Galaxyな男の運命の拓き方
宇宙葬や人工衛星キット開発など宇宙関連事業を手掛ける「スペースシフト」の金本成生氏。学生時代にIT企業を起業、米国で就職、宇宙事業に進出、とフィールドを広げてきた金本氏に、エンジニアのキャリア構築法を伺った - Rubyがきっかけで、「www(草生える)」を英語で解説――GitHubのエンジニアが語る、“世界とつながるスキル”
プログラミング言語「Ruby」のコミュニティーで英語と日本語を駆使して活躍するGitHubのソフトウェアエンジニア、Aaron Patterson(アーロン・パターソン)氏。Twitterで「www(草生える)」を英語で解説したことでも有名な彼は、18歳からプログラマーとして成長を重ねてきた苦労人でもある。そんな彼がRubyに出会ったきっかけと、今考える「オープンソースの世界でエンジニアに必要なスキル」とは? - 年収2500万円以上も夢じゃない? インドネシアでエンジニアとして働くという選択
成長著しいインドネシアでは、システム開発の需要が増え日本人エンジニアの人気が高まっているという。インドネシアで働くために必要な能力、そして気になる年収は? - 東京編:YOUは何しに奥多摩へ?――山の廃校で語学教育とシステム開発と地域活性化を模索する“くらげ”たち
JELLYFISHは奥多摩の廃校を活用し、高度IT人材育成を目的とした学校を開校した。学校は同時にラボ型開発の拠点でもある。生徒たちは語学やエンジニアとして必要な思考力などを学び、同時にアルバイトとして開発経験も積む。ゆくゆくは自身のアイデアやプロダクトで地域活性化も狙う