原因追求型のフィードバックをされると、気がめいる:仕事が「つまんない」ままでいいの?(57)(1/3 ページ)
部下や同僚にネガティブなフィードバックをしなければならないことがありますが、伝え方に気を付けないと、相手のやる気を削いだり人間関係を崩したりします。本来、どのようなコミュニケーションをとるべきなのかをエンジニア視点で考えてみました。
何かしらの問題が起こって、部下や同僚にネガティブなフィードバックをしなければならないことがあります。
例えば部下が作ってきた報告書の品質があまり良くないとき。「この報告書の書き方は良くないよ」「○○を、□□に書き換えてくれる?」のように問題点を指摘し、改善するよう促すことがあるでしょう。
けれども、ストレートに指摘し過ぎると相手のやる気を削いでしまいますし、人間関係も悪くなりかねません。指摘される方も嫌なものです。ネガティブなフィードバックが続くと、気持ちがめいってしまいます。だからといって、人間関係の悪化を恐れて指摘しなければ、問題点は改善されないままです。
する側も、される側も嫌な気持ちを抱きやすいネガティブなフィードバック、どのように実行すればいいのでしょうか。
「楽しくはたらく」をテーマにお送りしている本連載。今回のお題は、「問題点の指摘とフィードバック」です。
フィードバックといえば、エアコンの温度調整のように、目標値と現在の値を比較して、出力を調整する「フィードバック制御」があります。これを基に、フィードバックの本質をエンジニア視点で考えてみましょう。
そもそも、フィードバックとは?
ところで「フィードバック」という言葉、そもそもどんな意味があるのでしょうか?
辞書で調べてみました。
1 ある機構で、結果を原因側に戻すことで原因側を調節すること。電気回路では出力による入力の自動調整機能、生体では代謝、内分泌の自己調節機能など。
2 物事への反応や結果をみて、改良、調整を加えること。
3 顧客や視聴者など製品、サービスの利用者からの反応、意見、評価。また、そうした情報を関係者に伝えること。「現場からのフィードバックを設計に反映させる」「アンケートの結果を担当部門にフィードバックする」
出典:フィードバック(goo辞書)
辞書にもあるように、「フィードバック」は、出力が目的の状態になるように、結果を原因側に戻すことで、原因側を調整するために行われます。エアコンの温度調整など、電子制御では、よく、このような図が用いられますよね。
エアコンのフィードバック制御は、設定した温度(目標値)と実際の室温(出力値)を比較します。もし、温度に差があれば、室温が設定温度(目標値)になるように調整します。
つまり、「結果を理想に近づける」ために行われるのが、本来のフィードバックです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 新入社員への適切な接し方
エンジニアがエンジニアとして生き残るためには、ビジネス的な観点が必要だ。ビジネスのプロである経済評論家の山崎元さんがエンジニアに必要な考え方をアドバイスする本連載。今回は新入社員の迎え方を指南する - ググる世代との付き合い方――違いを認めて指導する
ITエンジニアの周りにはストレスがいっぱい。そんな環境から心身を守るためのヒントを、IT業界出身のカウンセラーが分かりやすく伝えます - 「管理」を勘違いするPMが、メンバーに翻弄される理由
1人で仕事をしているプログラマ時代は、ばりばり仕事がこなせたのに、PMになった途端に仕事がうまく進まない! そんな新任PMの悩みを解決するTipsを紹介します - あなたの「先輩力」が測れるマネジメント診断ツール
ITエンジニアのモチベーションを考える連載。第1回は、ITエンジニアが抱えるモチベーションの問題を事例を基に紹介。第2〜3回は、モチベーション診断ツールを掲載する。あなたのモチベータ(やる気のもと)を明らかにする!